郵便局の顧客データ流用、1300人超 局長会の政治活動に

藤田知也
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 多くの郵便局長が顧客情報を政治流用した疑いが出ていた問題で、日本郵便は21日、計1318人分の顧客情報の流出と不正利用があったとの調査結果を発表した。全国郵便局長会自民党公認で擁立する参院選候補者の得票につなげるため、郵便局を利用した人の個人情報やゆうちょ銀行の顧客データなどを後援会入会の勧誘などに使っていた。個人情報保護法が禁じる目的外利用などにあたる疑いがあるという。

 同社によると、2018年度以降、計104人の局長が局内の書類などから抜き出していた。うち31人が490人分の顧客情報を局長会に「社外提供」し、73人は828人分の情報を戸別訪問や電話での勧誘、名簿づくりに「目的外使用」していた。

 対象となった顧客情報は個人の名前や住所、電話番号で、郵便局の物販や荷物の取り扱いなどから得た情報が707人分、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の顧客情報がそれぞれ、567人分と44人分だった。

 日本郵便は今後、流出した顧客情報を消すよう局長会に求めるとともに、流出が特定できた顧客には連絡して謝罪するとしている。

 顧客を狙った政治活動の指示は、朝日新聞が昨秋に報じた複数の地方郵便局長会の資料に記されていた。局長としての接客や営業活動にあわせ、局長会としての支援者の獲得に励むよう求める内容だった。

 報道を受けて日本郵便が先月実施した実名アンケートでは、705人の局長が局内で政治活動を行うなどの問題があったと認めた。このうち74人が顧客情報を無断で局長会の支援者名簿に記し、257人が顧客情報を使って政治活動の戸別訪問をしていたと申告しており、日本郵便がさらに詳しく調べていた。

 局長会は参院選で組織内候補を擁立し、19年は元会長が自民党の比例区候補でトップとなる60万票を獲得。今夏の選挙でも前副会長が立候補予定で、支援者集めを進めていた。(藤田知也)