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耐性菌の死者世界で推計年127万人 コロナ、結核に次ぐ規模

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阿部彰芳
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 以前は有効だった抗菌薬(抗生物質)が効かない薬剤耐性菌によって、2019年に世界で127万人が死亡したとの推計を、米ワシントン大などの国際グループが発表した。耐性菌の死者は50年に年1千万人になるという予測が出ていたが、グループのメンバーは「想定よりも速くその数字に近づいている」と警鐘を鳴らす。

 医学誌ランセット(電子版)に20日公表された(https://doi.org/10.1016/S0140-6736別ウインドウで開きます(21)02724-0)。

 感染症を引き起こす細菌は数多く存在し、これらに対抗するため、ペニシリンやフルオロキノロンといった様々なタイプの抗菌薬が開発されてきた。

 だが、薬が普及し乱用されると、病原菌の中から薬に抵抗力を持つ耐性菌が生じる。感染症の原因が耐性菌だった場合、効果が期待できる薬が限られたり、なかったりして、治療が難しくなることがある。

 一方、耐性菌は大腸菌、黄色ブドウ球菌といった細菌にそれぞれ存在し、これらの菌が引き起こす感染症も、肺炎、膀胱(ぼうこう)炎、血液中に菌が侵入する菌血症など様々だ。耐性菌に対する各国の調査状況も異なり、世界でどのくらいの人が耐性菌で亡くなっているのか、はっきりしていなかった。

 結果では、19年の死者は204カ国・地域で計127万人。関連死も含めると495万人に上った。推計には23種類の病原菌が含まれるが、大腸菌、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌(かんきん)などの6種類だけで、92万9千人の死亡の原因となっていた。

 世界を21区域にわけて死亡率をみると、アフリカのサハラ砂漠以南の西部が人口10万人あたり27・3人で最多。オーストラリアニュージーランドを含む区域が6・5人で最も低かった。日本や韓国を含む区域は16・5人だった。

 ほかの感染症の20年の死者数は、新型コロナウイルスで188万人、結核で150万人、マラリアで63万人、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)で68万人。耐性菌とひとくくりにして比べると、感染症における死者は結核に次ぐ規模になる。

 推計にあたり、グループは…

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