名証の元社員が着服、10年以上約3千万円か 「生活費に使った」

内藤尚志
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 名古屋証券取引所の元男性社員(65)が在職中に、上場企業から集めた勉強会の資金を着服していたことがわかった。名証によると、少なくとも10年以上は続いて約3千万円が不正に使われたとみられ、警察に通報した。元社員側は全額を返す意向だという。

 この勉強会は、東海地区の上場企業の株主総会運営担当者らでつくる「名古屋株式事務研究会」。名証によると、1949年に設立され、いまは月1回のペースで会合などを開き、株式に関する法律や実務について学んでいる。事務局は名証が担い、社員1人に担当させている。この担当だった元社員は2008年ごろから、上司が鍵つきの引き出しに入れて管理していた印鑑を無断で持ち出し、会費の預金口座のお金を不正におろしていた。元社員は「生活費に使った」と話しており、着服を認めて全額を返す意向を示しているという。

 元社員は昨春に65歳で定年後再雇用の期間が満了して退職するまで、着服を続けた。後任の担当が昨年10月に会費の口座がおかしいと気づいて、調査を始めたという。名証は上場企業に積極的な情報公開を求める立場だが、この不正は今月20日に自社サイトに掲載するまで公表していなかった。

 名証は「証拠になり得る書類が処分されていて、事実確認に時間がかかった」(総務グループ)としている。「重く受けとめ、深く反省するとともに、関係各位に多大なるご迷惑をおかけしておりますことを、心よりおわび申し上げます」とコメントし、印鑑の管理を徹底するなどして再発防止に努めるという。内藤尚志