H3ロケット、今年度内の打ち上げ断念 新型エンジンに新たな不具合

小川詩織
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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は21日、H2Aロケットの後継として開発しているH3について、新型エンジンの開発が難航していることを明らかにし、予定していた2021年度内の打ち上げを断念すると発表した。H3は当初、20年度の打ち上げを目指していた。打ち上げ時期の延期は2度目で、新しい目標も未定という。

 H3は、一昨年にあった新型エンジン「LE9」の試験で、燃焼室の亀裂やタービンのひびが見つかった。設計変更をして燃焼室の問題は解決できたが、タービンについては昨年6月の試験で別の場所に5カ所のひびが見つかり、対応にはさらなる時間がかかる見通しという。

 岡田匡史・プロジェクトマネージャは「計画通りに打ち上げができなかったことを重く受け止めている。残念でとても悔しい。もう一踏ん張りして、成功につなげたい」と話した。

 H3は、世界の商業打ち上げ市場で戦える競争力を目指し、約100億円とされるH2Aの打ち上げ費用を半減させる狙い。初飛行では地球観測衛星「だいち3号」を、22年度には国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ無人補給船「こうのとり」の後継機「HTV―X」を打ち上げる予定だった。小川詩織