手術後の医師の「わいせつ」、女性の被害証言は幻覚? 最高裁で弁論

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阿部峻介
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 「手術後に医師に胸をなめられた」と証言した女性患者の被害は、幻覚か? この点が問われた刑事裁判で、最高裁第二小法廷(三浦守裁判長)は21日、弁護側と検察側の意見を聞く弁論を開いた。証言を支えるDNA型鑑定では、試料が廃棄され再現できないといい、鑑定のあり方も争点だ。判決は年度内にも言い渡される。

一審は「せん妄」認め無罪、二審は懲役2年の実刑

 準強制わいせつの罪に問われたのは、乳腺外科医の関根進被告(46)。東京都内の病院で2016年、右胸の腫瘍(しゅよう)摘出を終えて意識がもうろうとする30代女性の左胸をなめたとして逮捕・起訴された。

 現場は、カーテンで仕切られた4人部屋のベッド。当時は満床で、女性の母親が付き添いでカーテンの外にいた。看護師も処置のために頻繁に出入りしていた。

 一審・東京地裁はこうした状況や「女性が不穏な言動をしていた」という看護師の証言、専門家の意見をふまえ、術後の痛みや麻酔で生じることがある意識障害「せん妄」で女性が幻覚を見た可能性を認め、無罪とした。だが二審・東京高裁は、検察側が新たに呼んだ精神科医の意見などからせん妄を否定。懲役2年の逆転有罪とした。

 無罪を求め上告した弁護側はこの日の弁論で、「高裁は『せん妄の専門家ではない』と自ら認めた精神科医の意見に大きく依拠した。科学的な経験則に反する」と主張。検察側は「被害証言は具体的で現実の動きと符合する」と反論した。(阿部峻介)

DNA試料廃棄、弁護側「再検証できなければ科学と呼べない」

 もう一つの重要な争点が、D…

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