登校控える在校生、密避けた試験会場 受験シーズン、感染対策に腐心

新型コロナウイルスオミクロン株

三宅梨紗子、菅野みゆき、福冨旅史 比嘉展玖、能登智彦、岡田将平
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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、子どもたちにも広がっている。学校や保育施設などの休校や休園が相次ぐなか、受験シーズンも迎えた。学校や自治体は感染対策に腐心している。

 週末に入試を控える中学校では、入念にコロナ対策をして受験生を受け入れる。22日に約870人が試験を受ける予定の広島市中区の修道中学校では、在校生が20日から2日間、登校を控え、オンラインで授業を受けた。蔵下一成教頭は「万が一クラスターが発生した場合にも、受験に対応できる教職員を確保するため」と話す。試験会場の席数は通常の3分の2に減らして密を避ける。

 広島市中区の広島女学院中学校も22日に入試があり、710人ほどが受験予定だという。例年実施していた面接をやめ、午前中で試験を終える日程を組む。渡部新教頭は「学校は密にならないような環境をつくっている。普段通りに受験に臨んでほしい」と話す。

 受験以外でも学校は感染対策に苦心している。福山市内で最多の900人を超す児童が通う市立御幸小学校。「毎日、緊張感を持って子どもと接しています」と宮本浩嗣校長は語る。

 校内ではこれまでの感染対策をさらに注意しながら続けているという。教室内にあった棚などを廊下に出し、机と机を離して児童間の1・2メートルの間隔を確保。家族に風邪のような症状のある児童は、登校せずに授業をリモートで受けられるようにしている。

 21日には児童会の選挙があったが、コロナ禍前のような体育館での演説会や、教室を回っての支持の呼び掛けはできなくなり、登下校時に校舎外で名前を書いた紙や顔写真を掲げるなどの選挙運動になった。

 また職員が集まる会議を減らし、教員は放課後も教室で執務するようにした。研修も参加者が教室に3、4人ずつ分散し、各自のモニターで参観するようにしたという。

 宮本校長は「児童数が多く対策にも難しさはあるが、何ができるかを考えて、できることを徹底するしかない」と話している。

 県教委によると、17日時点の県内の公立学校の休校は28校、学年閉鎖は14校、学級閉鎖は14校。13日時点に比べ、休校は10校、学年閉鎖は2校増えた。

 広島市立の小中高校などでは、昨年12月31日から今月20日の間に感染が確認された児童・生徒らが656人に上る。内訳は小学生408人、中学生183人、高校生54人、幼稚園児ら11人。小学校2校ではクラスターが発生した。休んでいる子どもの精神的ケアや学習機会の確保のため、担任の教師が家庭訪問やオンラインでの健康観察を続けているという。

 市教育委員会の藤谷誠之(せいし)・学校安全対策担当課長は「効果が高いとされる不織布マスクの着用や、鼻と口を覆うマスクの正しい付け方を呼びかけるなど、感染対策を徹底したい」と話している。

 感染拡大を受け、福山市教育委員会は市立学校の部活動について、9日から31日まで原則中止するよう通知。県教委や広島市教委は、部活動を平日のみとするよう学校に求めている。

 (三宅梨紗子、菅野みゆき、福冨旅史)

未就学児にも影響

 未就学の子どもや保護者にも影響は広がっている。

 県安心保育推進課によると、今月に入ってから20日までに、県内の保育施設の職員67人と園児170人の感染が確認された。少なくとも46の保育施設が休園。一部のクラスが休園になった施設が一つあるという。すでに再開している施設もある。県内には保育所や認定こども園など計836の保育施設があるという。

 感染拡大を受け、福山市と呉市は市内の保育所などの利用を31日まで自粛するよう呼びかけている。福山市は保育所や放課後児童クラブなど239施設を利用する約2万人、呉市は保育所や認定こども園など67施設の約4500人が対象となる。ともに家庭で子どもが過ごせる場合、保護者に利用自粛を求めている。

 こうした対応はコロナ禍で3回目となる福山市の担当者は「子どもの安全な環境を確保し、どうしても必要な方が利用できるようにするための苦肉の策」。呉市は2回目となり、担当者は「保育施設でのこれ以上の感染拡大を防ぐための措置で、可能な範囲でご協力を」と呼びかける。(比嘉展玖、能登智彦、岡田将平)

新たに1532人感染 県、病床を1.4倍に拡充

 広島県内で21日、新たに1532人の新型コロナウイルスの感染が発表された。過去2番目の多さで、新規の感染発表が1500人を超えるのは2日連続。

 内訳は広島市931人、福山市146人、呉市84人、東広島市79人、廿日市市71人、三次市47人、大竹市38人、府中町29人、尾道市28人、三原市24人、海田町、竹原市各11人、北広島町8人、坂町6人、江田島市5人、安芸高田市4人、熊野町、府中市各3人、庄原市2人、安芸太田町、世羅町各1人。

 また、広島市で1人が亡くなったと発表された。福山市は、市内の1事業所で35人のクラスターが発生したと発表した。

 県は21日、新型コロナウイルス感染者の入院に対応する県内の医療機関の病床を前日の約1・4倍の804床に拡充した。20日時点では589床で、病床使用率は43・1%まで上がっていた。担当者は「オミクロン株の重症化リスクが低いとしても、感染者数が急増すれば、入院患者も増えて病床は逼迫(ひっぱく)する。今後のためにも備えることが必要だ」と話した。

 県は手術や外来診療などの一般医療への影響を最小限に抑えられるよう、今月初旬に県内の医療機関に体制整備を呼びかけていた。第4波や第5波でも同様の入院医療体制の拡充措置がとられているという。

 病床の拡充は、県の入院医療体制の緊急度を6段階で示す指標のうち、下から三つ目の「通常フェーズ3」から五つ目の「緊急フェーズ1」まで引き上げることに伴う措置という。

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    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2022年1月22日11時46分 投稿

    【視点】都内の某私立中高一貫校では、通常入試の前日だけを休校にするところ、いつもよりも数日多く休校にすると言っていた。受験生が試験を受ける教室内はもちろん消毒を徹底するが、それでも試験会場に残留していた飛沫などから受験生が万が一にも感染することがあ

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