米ロ外相が会談、緊迫のやりとり 外相・高官レベルの協議継続は合意

ワシントン=高野遼、モスクワ=喜田尚
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 米国のブリンケン国務長官とロシアのラブロフ外相が21日、緊張が続くウクライナ情勢をめぐってスイスのジュネーブで会談した。ウクライナ国境に集結したロシア軍部隊についてブリンケン氏が重ねて撤退を要求したのに対し、ラブロフ氏は北大西洋条約機構(NATO)の拡大停止などロシアの安全を保証する措置について協議を進めるよう要求。緊迫したやりとりの応酬になった。

 会談終了後に記者会見したブリンケン氏は「ロシア軍が少しでも国境を越えれば、厳しく団結した対応をとると伝えた」と述べた。「我々が見ているのは(ロシアの)行動であり、言葉ではない」とも話した。

 これに対し、別に記者会見したラブロフ氏はウクライナ国境の状況をめぐって「米国は懸念があるというが、根拠を示していない」と反論。逆にウクライナに対する欧米各国の軍事支援がロシアの脅威になっているとした。ロシアはNATO拡大停止のほか東欧からの兵力の撤退などを要求。会談では米国が来週中に文書で回答することを約束し、外相、高官レベルの協議継続で合意したという。

 ブリンケン氏は「現時点でロシアは外交に応じているが、同時にウクライナ攻撃に向けて部隊を展開しつづけている」とし、今後の展開は「ロシアの決断次第だ」との考えを改めて強調した。

 会談冒頭では会談の目的をめぐっても応酬があった。ラブロフ氏が自国の安全に関する要求への「具体的な回答」を求めたのに対し、ブリンケン氏は「会談は緊張を緩和しロシアのウクライナ攻撃を防ぐためのものだ」と主張した。

 米国はロシアがネット上に偽情報を拡散させ、攻撃の下準備をしていると警戒。財務省が20日、ロシア政府の指示でウクライナ国内での情報工作に関わったとしてウクライナの国会議員ら4人への制裁を発表した。

 ラブロフ氏は会談冒頭でこうした米側の動きを牽制(けんせい)。「『ロシアの偽情報』なる膨大な文書を読ませてもらったが、国務省内の誰かが、この問題ではなく、我々の提案の本質の分析に集中してくれていることを期待する」と皮肉った。(ワシントン=高野遼、モスクワ=喜田尚)