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迫る外来・検査逼迫 専門家ら提案の「受診せず自宅療養も」の真意は

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 オミクロン株による新型コロナウイルス感染が今後さらに拡大した場合、基礎疾患がない若者らは、医療機関を受診して検査を受けるという現在必須の「入り口」部分を必ずしも必要としない、と専門家が政府に提言した。そのまま自宅で療養することになる。

 転換を図った背景には、早晩、検査や外来診療がパンクする危機感がある。感染力が高いが軽症者が多いオミクロン株によって、まず若年層を中心に軽症者が急増する。検査や外来に殺到すれば、重症化しやすい患者の診断が遅れ、治療が遅れる。これまでのように重症者で病床が埋まる逼迫(ひっぱく)とは異なる課題だ。新型コロナ以外の救急医療の受け入れにも負荷をかける。

これまでと「戦略変わった」

 一方で、軽症者が多いなら、社会経済を回すことと感染対策を両立できる可能性もある。専門家の一人は「これまでとは戦略が変わった」と話す。専門家たちは感染拡大が先行する沖縄県の状況を分析しながら、検査や外来への負荷を減らす方法を検討してきた。提言案の段階では、時間がかかる検査を省いて逼迫を避け、優先度の高い人の治療ルートを守るために「検査をせずに臨床症状のみで診断」と踏み込んだ。ただ、専門家の間で「特定の症状だけでの診断は難しい」などの意見が出て削除になった。

 ただ、急変する人が出るおそれは否定できない。政府高官は「検査を受けるなとはいえない。提言は、少なくとも今やるということではない」と強調する。実現の難しさは専門家も承知の上。専門家の一人は「医療が破綻(はたん)するレベルまでいかないと、この提言は通らないかもしれない。それでもそれから議論したのでは遅い」と語気を強める。

 今回の議論は厳格な患者の管理が求められる感染症法上の新型コロナの位置づけを、事実上緩めることにもつながる。検査を受けなければ陽性者として数えられず、全ての陽性者を保健所に報告する現行の対応からは外れるからだ。療養期間やその間の行動規制をどうするのかといった課題は残る。

 行動制限の緩和も修正した。案段階では、政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長らの主導で、基本的対処方針に明記された人流抑制や県をまたぐ移動制限の必要性は否定した。全国知事会などの反発もあり、提言では、従来の規制も選択肢としうる方向に修正した。

 ただ、行政側も揺れている。21日の全国知事会の役員会議では一転、国の基本的対処方針がオミクロン対応に更新されていないことへの批判が相次いだ。オミクロン株の特性を踏まえた感染対策に見直すよう国に申し入れる。

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