酒提供の停止「愛知・三重と差、なぜ」 岐阜の居酒屋からは不満の声

新型コロナウイルス

松永佳伸、高木文子
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 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、岐阜県内にも21日、まん延防止等重点措置が適用された。飲食店に対しては、感染対策をとった第三者認証店も含めて県全域で午後8時までの時短営業と、終日酒類を提供しないよう県が要請した。愛知、三重両県は認証店に酒類提供の道を残しており、対応が分かれた。

 重点措置は2月13日までの24日間。県は要請に応じた飲食店に協力金(中小企業1日3万~10万円)を支払い、応じない店舗には過料(最大20万円)を科す手続きをとる。重点措置が県に適用されるのは昨年夏の「第5波」以来3回目。

 東海3県の知事は「生活圏・経済圏が同じ」だとして、政府に今回の重点措置を求めるタイミングも足並みをそろえた。ただ、愛知は認証店に対して「午後9時まで営業し、午後8時まで酒類を提供できる」か「午後8時まで営業し、酒類は終日提供しない」のどちらかを選べるようにした。三重は原則「午後8時まで営業、酒類は終日提供できない」が、認証店は「午後9時までの営業、酒類も提供できる」。

 県は愛知、三重の方針も把握したうえで県の対策を決めたという。古田肇知事は18日の記者会見で「(感染状況が)天井知らずの状態で急速に深刻になっている。最大限の危機感を持ち、重点措置として可能な最大限の措置を最初から取っていく」と説明。「専門家会議、県の対策本部会議、市町村との意見交換でも、すべての方々にご了解いただいている」と強調し、県民や事業者に理解を求めた。

 現在、重点措置が適用されている全国16都県のうち、認証店も含めて酒類の提供停止を求めるのは岐阜を含め5県。このうち3県は一部の自治体に限定しており、全域を対象にする広島、岐阜両県は全国的に厳しい対応になっている。

疑問・批判の声100件

 JR岐阜駅近くの繁華街・玉宮地区では、期間中の休業を知らせる貼り紙が目立つ。休業前日の20日夜、飲食店の従業員らは客に「また3週間後に」「(休業が)明けたらお願いします」と声をかけていた。

 岐阜駅から名古屋駅までは快速電車で約20分。休業する居酒屋の店長の一人は、古田知事の記者会見を動画で見たという。店は、県の呼びかけに応じて間仕切りのアクリル板や体温計測器を備えた認証店だ。

 「酒を出せなければ商売にならない。認証店とそうでない店で同じ対応をしなければいけないのはなぜか。岐阜と愛知でなぜ差があるのか納得できなかった。県には県民の声が届いていない。きちんと説明すべきだ」と憤った。

 県には21日までに対策への疑問や批判の声が100件近く寄せられたという。県議会との会合でも、県に説明を求める声や「一番厳しい条件にするというなら愛知、三重と同じ条件にすべきでは」といった指摘が県議から相次いだ。

 県の担当者は、感染者が増えれば一定の割合で重症者が出る恐れがあることや、全国各地で医療従事者の欠勤や保育所の休園、工場の操業停止などの影響が出ていることを説明。県内では会食が原因とみられるクラスターが18件発生していることも挙げ、県民や事業者へ協力を呼びかけた。

認証店と非認証店、区別つきにくく

 県によると、重点措置に伴い時短営業や酒類の提供停止を求められる飲食店などは、県内に約1万8千店ある。このうち6割強にあたる約1万1千店が認証店で、残る約7千店の「非認証店」については、感染対策が十分ではないとして、県が利用を避けるよう県民に呼びかけている。

 しかし認証店の目印になっている「新型コロナ対策実施店舗向けステッカー」は、認証制度の導入前から配られていて、認証店と非認証店の区別がつきにくい。県の担当者は「ウェブサイトで認証店であることを確認してから訪れてほしい」と話す。

 県内の飲食店で使える「ぎふ Go To Eatキャンペーン」の食事券の期限も2月15日に迫る。食事券が使える玉宮地区の焼き鳥店も、重点措置に合わせて休業を決めた。年末から徐々に客足が戻っていただけに、店主は「アルコールが提供できないので店は休むしかない。やむを得ないが、本当に残念」と肩を落とした。(松永佳伸、高木文子)

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