NY市長、最初の給与は仮想通貨 「金融イノベーションの中心に」
1月に就任した米ニューヨーク(NY)市のエリック・アダムス市長が21日、最初の給与を暗号資産(仮想通貨)で受け取った。フィンテック企業などをNYに誘致するためのアピールが狙いで、就任して最初の3回の給与は仮想通貨で受け取ると公約していた。
アダムス氏は給料支払いを前に20日、「NYは世界の中心であり、仮想通貨などの金融イノベーションでも中心であって欲しい」と声明を発表。「このようなイノベーションの先端に立つことで雇用を創造し、経済を良くし、世界中から才能を集め続けられる」とした。
米国の規制により、NY市は仮想通貨を使って職員の給与を払うことができない。このため、アダムス氏の給与は交換業大手コインベースを通じ、自動的に仮想通貨のイーサリアムとビットコインに交換されたという。
声明で給与額は明示されていない。米メディアによると、NY市長の給与は年間25万8750ドル(約3千万円)で、隔週ごとに支払われるため、1回の給与額は約9925ドル(約113万円)という。
仮想通貨は値段の変動が大きく、取引のリスクが高い。NY州の司法長官は昨年3月、「投資する際は極めて慎重に判断すべきだ」と注意を呼びかけた。情報サイトによると、イーサリアムとビットコインも、この1週間で価格が1割程度、下落している。(ニューヨーク=中井大助)
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