新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るう欧米で、学校現場が混乱している。感染者増による学級閉鎖や休校だけでなく、感染の不安から生徒が学校をボイコットする動きも。フランスでは教員によるストライキまで起きている。(パリ=疋田多揚、ニューヨーク=藤原学思)
「授業計画立てられない」嘆く仏の教員
パリの公立小の女性教員(27)は4日朝、男子児童がコロナに感染して欠席すると連絡を受けた。
9時半ごろだった。女性は授業を中断し、残りの26人の児童の親への電話にとりかかった。校長と手分けし「今すぐ迎えに来て下さい」と携帯電話で伝えた。
フランス政府が定めた規則では、クラスに感染者が出たら、学級全員がただちに薬局などで抗原検査を受けると定めていた。それで陰性なら教室に戻れる決まりだ。すぐに休校にせず、「学校はなるべく開け続ける」という政府方針に沿ったルールだった。
だが、女性が電話をかけ始めると、職場に着いたばかりの親もいれば、連絡がつかない親もいた。
その日、女性の携帯は親からの折り返し着信音が何度も鳴り響いた。「とても授業どころではなかった」
結局、迎えに来られた親は20人ほど。都合がつかない親もいて、4、5人は検査を受けられないまま教室で過ごした。この日に別の児童の感染も判明したが、翌日も授業は続いた。
政府のマニュアルは、感染者…