私も書いてみたい…反響が後押し 111人の「昭和の記録」続刊へ

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北沢祐生
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 戦争、敗戦、高度成長と激動の時代を生きてきた人々がつづった「昭和の記録・私の思い出」が昨秋、共同で自費出版された。ここに登場した111人の自分史に触発されて「私も書きたい」といった声が相次ぎ、再び111人の歴史を紡ぐ続編発行に向けた作業が始まった。

 企画したのは長野県須坂市周辺を中心に活動する、須高郷土史研究会の片山久志さん(76)=高山村=。メンバーで刊行委員会を作り、住所や年齢、同会の会員か否かは不問で2400字の原稿を募った。自費出版のため、執筆者1人が1万円を負担する形でだ。

 約400人が加入する研究会の役員からは、「金を払ってまで書く人はいるのか」との意見もあった。が、募集すると北海道など全国から原稿が届き、時に片山さんらが口述筆記して最終的に101歳から60歳の111人の「昭和の記録」が完成。昨年10月に出版された。

 執筆陣は終戦前の生まれが71人、戦後生まれは40人。昭和をすべて生き抜いたのは2人、戦地へ赴いたのは1人。戦時中の体験を書いた人が多数だが、日常や仕事、家族のことなど思い出は様々。より時代の変遷が見えるように、原稿は出生順に並べた。

 「天皇の人間宣言後も、学校で宮城遥拝(きゅうじょうようはい)が行われた」「玉音放送前に中国軍将校から日本の敗戦を知らされた」。そんな貴重な証言も寄せられた。開戦直後、ためていた小遣いを「お国のために」と駐在を通じて寄付したという長野市の男性(89)は、全校朝礼で校長に読み上げられた「陸軍大臣東條英機」名の感謝状も掲載。戦後に「私も戦争に加担したようで、後ろめたさを感じた」と書いた。

 出版後、執筆者の約3割が「…

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