劇団「ヨーロッパ企画」が新作「九十九龍城」を11都市で上演する。コロナ禍で劇団は、リモートでの配信活動が軸となった。約2年ぶりとなる今回の劇場公演は、ネット配信では表現しきれない、生の舞台ならではの世界観を「魔窟劇」でみせる作品になったという。「劇場に足を運び、生で見て触れられるおもしろさに出合ってほしい」と語る劇団代表の上田誠さんに思いを聞いた。
――本作はどのような作品ですか。
アジアにある魔窟「九十九龍城」を舞台に、刑事が爆破事件の犯人を捜査するという目的で魔窟を監視します。モニター越しで監視するようなところから劇が始まり、色々な暮らしぶり、黒社会のアジト、魔窟の中の部屋などスポットを観察していきます。
そのうちに、事件以外の暗部だったり、世間とはずれた暮らしぶりだったり、いろいろなものが見えてきて。刑事たちがそれに踏み込んでいくか、という筋立てです。全体としては昔の香港映画のような、香港ノワールの中で行われるコメディーの感じですね。
――「魔窟」をテーマに選ん…