ベトナム人禅僧ティク・ナット・ハンさん死去 マインドフルネス普及

ハノイ=宋光祐

 世界的に知られるベトナム人の禅僧ティク・ナット・ハンさんが22日、ベトナム中部フエの寺院で亡くなった。95歳だった。ベトナム戦争反対を訴えた平和運動家で、近年は「マインドフルネス」や瞑想(めいそう)を著作で広め、欧米諸国の文化に影響を与えた。死因は不明だが、2014年から脳疾患を患っていた。

 ハンさんは1926年生まれ。60年代から米国の大学で宗教学を教え、公民権運動を主導した故マーティン・ルーサー・キング牧師らとともにベトナム戦争の終結を訴えた。非暴力による和平を求めて南北ベトナムのいずれに対する支持も拒否し、2005年まで政府から帰国を禁じられた。18年からは故郷のフエに戻っていた。

 近年は100冊以上の著作や講演を通じて、瞑想法の一種である「マインドフルネス」を紹介。米国のテレビ司会者オプラ・ウィンフリーさんら著名人に支持され、欧米諸国でマインドフルネスが流行するきっかけを作った。著作は邦訳も相次ぎ、95年に来日した。(ハノイ=宋光祐)