聖心女子大生が多文化共生を探る展示会 ヘイトスピーチや入管巡り

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 ヘイトスピーチ入管問題などの現場を訪ね、当事者に話を聞いた聖心女子大学東京都渋谷区)の学生たちが、調査結果をまとめた展示会を28日まで、同大内の「BE*hive(ビーハイブ)」で開いている。学生たちは「遠く感じていた問題が自分事になった」と話す。

 調べたのは風巻浩・東京都立大特任教授の担当する授業「グローバル共生研究Ⅹ」を受講する15人。対象は、在日ミャンマー人の軍事クーデターへの抗議デモ、日韓の文化と歴史、外国がルーツの子の学習支援などにも及んだ。

 2年の深井香帆さん(19)は、スリランカ国籍の女性が収容中の入管施設で病死した問題に関心を持った。インタビューした元入管職員は「日本はまだ難民を受け入れる態勢にはない」「最近の報道は入管バッシングだ」と話したという。深井さんは「密室で何が起きているか、もっと知る必要がある」と感じた。

 バイト先で知り合ったミャンマー人と話し、なぜ日本で抗議活動をするのかに関心を寄せたのは、2年の大平茉奈(まな)さん(20)だ。ミャンマーの人々は「本国と違って命の危険を感じず、国際社会に訴えられる。デモをしなければ、問題が落ち着いたと受けとめられてしまう」と話してくれたという。「過激な運動をする人々だとひとごとのように思っていたが、そうではない。ミャンマーの問題が自分の問題になった」。自らもデモに参加した。

 同じ学年の川瀬若葉さん(20)は、K―POPから韓国に興味を持ち、日韓関係の歴史を学び始めた学生たちの本「『日韓』のモヤモヤと大学生のわたし」を読み、揺さぶられた。「偏見を持っていないつもりだった自分が、文化しか見ず、歴史を見ないという偏見を持っていたのでは」

 1年の橋爪真奈さん(19)は川崎駅前で読書をしながらヘイトスピーチを監視する「川崎駅前読書会」の人々に話を聞いた。ただ、同年代の10人余にヘイトスピーチを知っているか聞くと、半数以上が知らなかった。「少数派の人々との共生には、その人の立場を『自分事』として考えなくては」と話した。

 風巻特任教授は「学生一人ひとりが日本は多文化共生社会になっていないと感じ、どうすればよいかを考え始めている」と語る。展示会は午前10時~午後5時。28日は午後0時半まで。24日午前11時からはオンライン発表会がある。参加希望者は風巻特任教授にメール(nextasia@gmail.comメールする)で申し込む。問い合わせは聖心女子大総合現代教養研究室(03・3407・5811)。