デジタル化遅れ? HPない中小企業も応援するポータルサイトを開設

井石栄司
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 【大阪】堺市内に本社・本店を置く企業情報を集めたデータベース「さかしる」の運用が始まった。自前でホームページを開設できない中小企業の情報を一手に集めることで、企業の情報発信力向上や、異業種間の連携による事業展開につながることが期待されている。

 市が産業戦略の策定のため、一昨年暮れから昨年1月にかけて市内企業約1500社にアンケートを実施したところ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きいことがわかった。

 回答した約500社の約4割超が「需要の減少」、約3割が「取引・受注・予約のキャンセル・延期」などを影響として挙げたという。

 コロナ下で事業を展開するにはデジタル化が欠かせない。しかし、動画を活用した情報発信やECサイト(ネット通販)の活用が1割未満であるなど、中小企業でデジタル化が進んでいない実態もアンケートでは浮き彫りになった。市がアンケート後に調べたところ、大半の中小企業が自社サイトを持っていなかったという。

 こうしたことから、市は市内に本社・本店を置く約2万4千社の情報を集めたポータルサイトをつくることで、コロナ後の中小企業の企業活動を支援することができると判断。市の外郭団体・堺市産業振興センターにサイトの開設と運営を委託した。

 サイトには約2万4千社の基幹情報として、法人名と法人所在地などを載せている。昨年12月1日に全社にQRコードを送付。企業側はQRコードを読み込んで自社紹介や業種内容などを記入していくことで自社情報を充実させる。

 登録した企業には、コロナ禍での行政側の支援情報がプッシュ通知で届く。登録情報は誰でも見られるため、情報をもとに企業間で交流したり、協業先を開拓したり、販路開拓につなげたりもできる。

 センターによると、昨年12月9日時点で約500社が登録済み。1月末までに5千社の登録をめざす。担当者は「企業情報の厚みを増すことでサイトの存在をまず知ってもらうことが大事。営業につながるツールに育てたい」と話す。

 堺市の永藤英機市長は「今回の取り組みを生かしながら、企業間の相乗効果を促せるような内容にしていきたい」と語った。(井石栄司)