「優勝したら5割引き」昨日の冗談がまさか…御嶽海の出身地が喜び

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依光隆明 高億翔
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 大相撲初場所で3度目の優勝を果たした御嶽海(29)=出羽海部屋=の雄姿に出身地の長野県上松町で歓喜の輪が広がっている。残念なことにパブリックビューイング(PV)は新型コロナの影響でなくなったが、23日の町の話題は御嶽海一色。町公民館で勝負を見つめた父親、大道春男さん(73)は「本当に皆さんの応援のおかげです。ありがとうございました」。不況の風吹く町にさわやかな風が吹き込んだ。

 町民にとって今場所の活躍は予想外だった。「きのうまでは『優勝したら5割引きにするか』なんて冗談で言ってたんですが」と話すのは町中心部のトキワ商店街でヒノキの精油店を営む吉川正樹さん(55)。優勝した場合、同商店街では24日から「優勝おめでとうセール」をすると決めていた。「まさか」が現実になり、優勝決定後に慌ててチラシを印刷に回した。

 吉川さんも含め、町民が一様に残念がったのはPVの中止。大屋誠町長は「やる予定でしたが、ここ2、3日で(感染者が)爆発的に増えたもので」と苦しい胸の内を明かす。「公民館のPVに子どもを連れて何回か行きました。みんなで見て、バンザイするのがいいのに」と残念がるのは町内随一の景勝地、寝覚の床を望む臨川寺の見浦洞宗住職(54)。「御嶽海は町の人気者。(PV中止を)みんな残念がっています」

 春男さんは公民館で息子の取り組みを見つめた。友人2人と偶然合流し、3人でテレビの前に。横綱照ノ富士を寄り切った瞬間、グータッチと拍手で喜びを表した。春男さんは「木曽だけでなく長野県中から応援をいただいた。ホントうれしく思います」。優勝が決まった直後から春男さんの携帯には次々と祝福の電話がかかっていた。

 かつて上松は林業でにぎわった。60年にわたって町中心部の旅館を経営する田口喜美子さん(81)は「木曽官材の市場があって、その関係のお客さんがすごく多かった」と振り返る。林業が寂れ、さらにコロナ禍。「昨年の暮れからもうひどい、ひどい。ひどいなんてもんじゃない。こんな年は初めてです」

 不況の町に喜びを運んだのが御嶽海だった。大関昇進を果たせば、県出身力士としては「史上最強」とも評される江戸時代の伝説的力士、雷電(1767~1825)以来となる。(依光隆明)

「長野県にさらに元気と感動を」

 御嶽海の堂々とした戦いぶりでの優勝に、地元の相撲関係者は沸いた。

 御嶽海が福島中(現・木曽町

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