【22年初場所千秋楽】稽古嫌い? 実は…大関昇進へ貫いた信念
「何か自分で決めとったんじゃないかな。今場所はいつもの相撲と違った」
初場所で3度目の優勝を決めた御嶽海の父・大道春男さん(73)は大関昇進を確実にした息子の雄姿に目を細めた。
千秋楽の一番は地元の長野県上松町でテレビ観戦。支援者らとグータッチで喜びを分かち合い、「みんなが見て、頑張ったなと思うような相撲だった」と語った。
御嶽海と最後に直接会った日にちは「よう覚えていない」。だが、大道さんが誕生日を迎えた今月12日には「おめでとう」と電話があったという。
「自慢(の息子)っちゅうわけじゃないが、小さいときから指導者にめぐまれた。みなさんのおかげです」
(東西トーザイ)稽古嫌いと言われても、貫いた信念
土俵下の優勝インタビュー、大関昇進確実の一報を聞かされると、御嶽海は20秒近く言葉がでなかった。口を開くと、絞り出すように涙声で言った。
「そういう経験は、できることじゃないので、素直にうれしい」
新小結に昇進してから5年超、今年12月には30歳になる。3度目の優勝は、関脇以下では年6場所制になってから最多タイとなる。だが、この記録は誇ってばかりはいられない。
同じ学生相撲出身の朝乃山や正代を優勝回数では上回っているなか、大関昇進では先を越された。かつては大関への意欲を隠さなかった。最近は「狙っていないわけではない。めざしてはいるけど……」と控えめな口ぶりが目立っていた。
本心は違った…