金閣寺そばに「幻」の野球場 2万人収容、プロ球団の本拠地にも

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吉村駿
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古都ぶら

 京都の観光名所・金閣寺の近くを歩いていると、「衣笠球場」と書かれた不思議な電柱を幾つも見つけた。周辺は静かな住宅街。地図アプリを見ても、野球をする場所は見当たらない。謎の球場。探してみることにした。(吉村駿)

 その電柱は、金閣寺と龍安寺を結ぶ道路「きぬかけの路(みち)」に交差する細い脇道に何本も立っている。

 よく見ないと「衣笠球場」の文字は見えず、電柱を気にする通行人は見当たらない。注目するのは、私のような野球部出身者くらいなのだろうか。

 衣笠で思い浮かんだのは故・衣笠祥雄選手。プロ野球の広島で活躍した「鉄人」だ。衣笠さんは府出身。だが、この辺りで生まれ育ってはいなかった。関係なさそうだ。

 そばには立命館大の衣笠キャンパスがあった。だが野球場はない。硬式野球部は、大学から5キロほど離れた場所で練習している。

 一体、どこにあるのか。

電柱に表示 ホームベース跡も

 調べていくと、衣笠球場を知っている人が見つかった。立命館史資料センター調査研究員の久保田謙次さん(73)。電柱のあたりで待ち合わせた。

 「電柱は球場の名残ですよ」と久保田さん。つまり、今はないのだ。昔あった場所へ連れていってくれた。衣笠キャンパス内の図書館の前だ。

 「ここにホームベースがありました」。示した先の地面に記念のプレートが埋めてあった。久保田さんが史料などから場所を特定し、一昨年に設置したものだという。

 ホームベース跡に立って見渡してみた。右手に図書館。正面に校舎。球場のイメージが湧かない。正門近くで法学部3年の本島和弘さんに聞くと、「ここが球場だったんですか」と驚いた。

 久保田さんに史資料センターで詳しく聞くことにした。キャンパスから徒歩10分ほどの立命館大西園寺記念館内にある。

 資料や写真をもとに説明してくれた内容はこうだ。

セ・リーグ初代王者が本拠地に

 球場は、キャンパス北東部に…

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    安藤嘉浩
    (朝日新聞スポーツ部記者=高校野球)
    2022年1月25日10時37分 投稿

    【視点】衣笠球場は松竹ロビンスの本拠球場という認識でした。この記事で詳しいことが分かりました。立命館大学の施設だったということは、阪神入団前に在学(1952、53年)した吉田義男さんもプレーされていたんでしょうね。 きっと高校野球の大会も開催され