国交相「事実反映とは言い難い」 先月の「正しい数字」答弁を撤回

国交省の統計書き換え問題

岡戸佑樹、柴田秀並
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 国土交通省による統計不正問題をめぐり、24日の衆議院予算委員会では、2020年1月以降の統計は「修正済み」としてきた政府答弁に焦点が当てられた。同省は先月の臨時国会で、20年1月以降は「正しい数字を出していた」と説明していたが、斉藤鉄夫・国土交通相は「事実を正確に反映した表現とは言い難い部分があった」と釈明。臨時国会での答弁を事実上、撤回した形となった。

 岸田文雄首相は臨時国会で、会計検査院の指摘を受けた後の20年1月から統計の「修正を行った」と強調。補正予算案は「修正の必要はない」として野党側に審議に応じるよう求めたが、同月以降も複数の自治体で書き換えが続き、受注実績の二重計上が生じていたことが判明していた。

 この日の予算委では、自民党の宮崎政久衆院議員が当時の答弁について質問。斉藤氏は「20年1月以降の数値にも正確とは言えない部分があったと考えている」と認めた。これに対し、立憲民主党大串博志衆院議員は「数字は正しくなっているということで補正予算の審議に応じたが、結果として正しい数字ではなかった」と述べ、首相の当時の説明を批判した。

 第三者の検証委員会が公表した報告書では、同省が組織ぐるみで隠蔽(いんぺい)していた実態が明らかになったが、首相は臨時国会で隠蔽を否定する趣旨の答弁をしていた。この日、首相は「問題発覚後に国交省内部で不適切な事後対応の問題があったことが明らかになった。このことは極めて遺憾」と述べたが、答弁との整合性には言及しなかった。

 この日の予算委では、受注実績の二重計上が国内総生産(GDP)に与える影響についても質疑があり、山際大志郎・経済再生担当相は改めて「軽微だ」と強調した。GDPの推計は多くの基礎統計を利用していることなどが理由だ。

 ただ、こうした政府の説明について、統計の専門家からは疑念の声が上がる。

 平田英明・法政大教授(マクロ経済学)によると、不正があった「建設工事受注動態統計」は、複雑な加工計算を経てGDPの算出に用いられるという。「二重計上による過大部分はGDP全体でみるとそこまで大きくないとみられるが、GDPがどれくらい上昇したかを示す『成長率』には無視できない影響を与えた可能性がある」とした上で、「政府は『軽微』だと繰り返すが、証拠に基づかない特殊な前提によるものにすぎない」と述べた。(岡戸佑樹、柴田秀並)