NHK、字幕問題の会見説明訂正 「監督に聞いた」→実際は確認せず

伊藤宏樹
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東京の専務理事トップの調査チーム設置

 昨年末に放送されたNHK大阪拠点放送局制作のBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」で取材内容と違う字幕を付けた問題で、NHKは24日、東京在勤の松坂千尋・専務理事をトップとする調査チームを設けたと発表した。

 また、ディレクターが試写の後に、字幕のもとになった話について映画監督の島田角栄さんに聞いているとしていた19日の記者会見での説明を撤回し、島田さんに謝罪したことも明らかにした。

 番組は河瀬さんが総監督を務める五輪記録映画の取材に密着した。問題になっているのは、島田さんが話を聞いた匿名の男性を「五輪反対デモに参加している」「実はお金をもらって動員されている」と説明した字幕。

 NHKは19日の放送総局長の定例会見で、放送前の試写の後、プロデューサーから字幕の事実確認をするようにとの指示を受けて、ディレクターが男性の取材時に一緒に話を聞いていた島田さんに「そういう話があったよね、と聞いている」と説明した。

 しかしNHKによると、字幕について島田さんに確認を取ったことはなく、19日の会見での担当者の説明が「誤解を与えるものだった」という。島田さんは「NHKの説明が事実と異なる」として訂正を求めており、NHKは22日、島田さんに面会して謝罪したという。

 今回設けた調査チームは、番組を制作した大阪拠点放送局ではなく、東京在勤の松坂千尋・専務理事をトップに、放送や人事の担当者らで構成。改めて番組関係者らに聞き取りをして、取材内容と違う字幕を付けた原因や放送前にチェック機能が働かなかった問題の背景を把握し、再発防止策を立てるという。(伊藤宏樹)