洋上風力開発・製造拠点に「鉄のまち」注目 北海道・室蘭

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西川祥一
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 再生可能エネルギーとして有望視される「洋上風力発電」の技術開発、製造の拠点を、北海道室蘭市に置く動きが進んでいる。建設大手の進出計画が相次いでいるのだ。洋上風力の適地の多くが北海道や東北地方にあることから、立地がよく、かつて「鉄」で栄えた室蘭が注目されている。ただ、市は再エネ産業の集積は歓迎する一方、地元企業が求める室蘭沖での発電事業には消極的だ。

 洋上風力発電は、海上に浮かべた構造物(架台など)に載せた風車を回す「浮体式」と、海底に基礎をつくり風車を固定する「着床式」の二つがある。

 現在、国内では着床式が一般的だ。遠浅が少ない日本沿岸は浮体式が適しているとされるが、普及が進まないのは、技術革新の余地が多く、製造コストが高いからだ。

 そこで建設大手の大成建設(東京)は昨年11月、浮体構造物を開発・製造する施設を、室蘭港祝津埠頭(ふとう)の市有地に建設すると発表した。2024年以降の整備をめざし、コストダウンを図る。事業規模は50億~100億円を見込む。

 大成によると、24年ごろから、秋田沖などで着床式の発電が始まる予定。さらに、30年以降には浮体式が実用化されるとみており、「浮体式の市場は、着床式の何倍にもなる」とする。北海道日本海側の石狩湾で計画されている大規模な洋上風力発電計画にも協力していくという。

 大成と室蘭市は包括連携協定で、洋上風力関連産業に関してサプライチェーン(供給網)の構築を合意しており、鉄鋼、建設、造船などの地元企業の参入も期待されている。

 また、海洋土木大手の五洋建設(東京)は今年10月をめどに、これまで橋桁などを製造していた室蘭製作所を建て替え、浮体式の架台などの大型部材を製造する。床面積を現工場の1・5倍の約9600平方メートルにして、製造能力を増強する。

 建設大手の進出が相次ぐ理由…

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