日本国際賞にカリコ氏ら 新型コロナのmRNAワクチン開発に貢献
野口憲太
国際科学技術財団は25日、2022年の日本国際賞の受賞者を発表した。新型コロナウイルスワクチンに使われる技術を研究した独ビオンテック社のカタリン・カリコ上級副社長(米ペンシルベニア大特任教授)と米ペンシルベニア大のドリュー・ワイスマン教授の2氏が選ばれた。
両氏は2005年、たんぱく質の設計図「mRNA」を人工的に作り、望まない免疫反応を抑えつつ生体内に入れる方法を報告。その後の一連の研究とあわせて、当時難しいと考えられていたmRNAの医薬品への応用に道を開いた。
新しいワクチンの実用化には早くても数年かかるとされるが、この技術を基盤にした「mRNAワクチン」は、新型コロナの流行が始まってからわずか約1年で量産にこぎ着け、世界中で接種されている。
このほか、植物の光合成を研究し、気候変動対策の科学的な基礎を築いた業績で、米スタンフォード大ウッズ環境研究所のクリストファー・フィールド所長も選ばれた。
フィールド氏は1980年代…