認知症の高齢者、QRコードで「見守り」 現在地を家族にメール通知

日高敏景
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 道に迷った認知症高齢者の持ち物に貼られたシールのQRコードを、発見者がスマートフォンで読み取り、家族らに現在地や状況をメールで伝える――。こんな「見守り事業」を埼玉県所沢市が始めた。

 シールは2月から該当者に無償で配るほか、市の「みまもりネットワーク」協力事業者であるセブン―イレブンの店舗などでも販売される。地図大手の昭文社グループ「マップル」(東京都)が2018年から提供するサービスを活用した。シールの図柄には市のマスコット「トコろん」をデザインした。

 発見者は、お年寄りの杖などに貼られたQRコードをスマホで読み取り、画面上の「交番へ連れて行く」「保護・待機する」「発見場所のみ通知」の項目を選ぶ。コメントの記入欄もあり、これらの情報が事前に登録された家族らのメールに届く仕組みだ。画像や位置情報を送ることもできる。

 自治体などによる認知症高齢者の見守りでは、全地球測位システム(GPS)を活用している例もあるが、QRコードを使ったサービスは、その手軽さや費用の安さが利点という。

 QRコードの有効期限は1年。市は介護認定をもとに、該当する認知症高齢者の家族に各1シート(大2枚、小3枚入り)を無償配布する。該当者は1千人近くになるという。市内のセブン―イレブン40店舗やオンラインショップでは1シート990円(税込み、送料別)で購入できる。

 21日には関係する3者が連携協定を結んだ。藤本正人市長は「市民の安心安全につながる」と話し、マップルの黒田茂夫社長は「それぞれの役割をしっかり担うことで、認知症の方と家族をサポートできるのは光栄」と語った。

 警察庁によると、一昨年に警察に届け出があった認知症の行方不明者は1万7565人。所沢市でも、家族らから寄せられた防災無線での行方不明者(65歳以上)の放送依頼が、一昨年は47件、昨年は41件にのぼっている。(日高敏景)