タイの口内にいる甲殻類、探し回った小2 「海とさかな」コン入賞

鹿野幹男 谷口哲雄
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 「海とさかな」をテーマにした自由研究・作品コンクール(朝日新聞社、朝日学生新聞社主催、日本水産協賛)で、3万589点の応募作品から茨城県内の2人が入賞した。研究部門で阿見町立本郷小2年の入江奏多(かなた)さん(7)が、創作部門では守谷市にあるつくば国際大東風小4年の安部愛禾(まなか)さん(10)が、最優秀賞の一つ、日本水産学会会長賞を受賞した。

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 入江さんは、甲殻類タイノエの観察図を描いた。

 「あれ? 口の中に何かいるぞ」。2年前の夏、母親の真紀さんが買ったチダイの口の中に、何かが2匹へばりついていた。

 その正体はチダイやマダイの口の中に寄生するタイノエだった。メスは約3~5センチ、オスは1センチ前後。雌雄がペアになり魚から栄養を取って生きる。人間には寄生しない。

 魚を観察して絵を描くのが大好き。ダンゴムシのような形のタイノエに心を奪われた。「かわいいから冷凍庫にとっておきたい」。虫などがあまり好きではない真紀さんは「無理。丁重にお断りしました」。

 それでも、タイノエへの好奇心は消えなかった。応募作品もタイノエに決めたが手に入らない。親子でスーパーを約10軒回って口の中をのぞき込んだものの、見当たらない。大洗漁港近くの鮮魚店で、ようやくタイノエがいるタイを見つけた。

 昨年8月、ピンセットでタイノエを取り出すと、メスのおなかが黒ずんでふくれていた。体に宿した無数の幼生だった。個体数を3時間近くかけて数え、1200匹近くを確認した。

 メスとオスをじっくり眺めてネットや図鑑で生態を調べ、数日間かけて画用紙に詳細な観察図を描いた。「赤ちゃん1000びき すごいぞタイノエ」と記し、体の特徴や生態を色鉛筆で詳細に描写。「メスがオスより大きい」などの観察結果をまとめた。

 観察したタイノエはエタノール漬けで保管され、机に向かう入江さんを見守る。恐竜も好きだ。「高校、大学に行ったら、化石や魚のことを研究したい」(鹿野幹男)

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 安部さんの作品は、多彩な海の生き物を紹介する「なるほど!びっくり!海とさかなのものしりカルタ」だ。

 応募は3回目。前々回は最優秀賞、前回も優秀賞に選ばれている。今回は何を作ろうかと考え始めた。

 海の幸はアカエビ、イクラ、マグロをはじめ何でも好物で、家族ですし店に行くのが楽しみ。絵や文章を書くのも好きで、将来の夢は絵本や児童文学の作家になること。かるたなら自分の好きなことを全部生かせる。そう思った。

 「遊んでいるうちに自然に読み札の文を暗記してしまう。勉強に役立つ内容もすぐ覚えられそう」

 図書館で図鑑や写真集を10冊ほど借り、まず46枚の読み札を考えた。

 〈アツモリウオとクマガイウオ 名前の由来は平家物語

 〈イソマグロ 高速で泳ぐ美しいむれ〉

 絵札も工夫した。同じ構図ばかりでは面白くない。横から正面から。1匹で複数で。通学バスの中でも資料を開いて絵柄を考えた。

 配色にも気を配った。海が背景だから青っぽい札が多くなる。同じ青でも微妙な色合いを表現できるよう、絵の具や色鉛筆、クレヨンなどを使い分けた。

 「こんな生き物がいたんだ、海ってすごいなと思った。海の世界の面白さを、かるたで知ってほしい」

 最後の1枚には、これからも豊かな海が続いてほしいという願いを込めた。

 〈プランクトンからシロナガスクジラまで 住みよい海と地球をいつまでも〉(谷口哲雄)