海へ……ジョー、いかないで るいの決断は 25日のカムカム
これから、2人はどう生きていくのか。1月25日のカムカムエヴリバディでは、生きる目的を見失った錠一郎(オダギリジョー)の絶望がまざまざと描かれた。一方、るい(深津絵里)の取った行動とは。
トランペットを吹けなくなった錠一郎は、治療法が見つからないまま自暴自棄の日々を送る。心配したるいが訪ねても拒絶するばかり。
流れを変えたのは、ラジオから流れるあの曲だった。
ルイ・アームストロングの「On the Sunny Side of the Street」(明るい表通りで)。
錠一郎とるいの思い出の歌。2人で海を見ながら、いつかアメリカに渡ってみたいと願った曲だ。
暗闇でしか
もしかして――。海へ急いだるいがそこで見たのは、やはり錠一郎だった。ひとり、服のまま海に入っていく。
波にのまれてずんずん小さくなっていく後ろ姿。
ようやく追いついたるいに、錠一郎は「暗闇なんや。歩いても歩いても」。「サニーサイドが見えへん」とつぶやく。
るいは「怖がらんでいい。私が守る」。「あなたと2人でひなたの道を歩いていきたい」と抱きしめるのだった。
支え合う2人、大阪編の残したもの
この日は、ソウルメートな2人の関係がよく分かる描き方になった。
額の傷や母との過去に苦しむるいを暗闇から救い出したのが錠一郎だったように、今度はるいが錠一郎を支える。合わせ鏡のような2人を、サニーサイドの名曲が彩る。
吹けなくなり、錠一郎が命まで落とそうとしたのはなぜか。
作品の中で多くは語られない。しかし、大阪編の舞台が1960年代ということを考えると、無理な筋書きとはいえない。
この日、BGMのように流れ…