全ての電気を再エネに セイコーエプソン、割高でも「今は先行投資」

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森治文
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 深まる気候危機に対しては、災害対策や転作などで「適応」することも必要だが、抜本的には温室効果ガスを削減し、環境の激変を「緩和」することが急務となっている。そのために地方の企業や自治体でも、再生可能エネルギーへの転換や住宅の省エネ化などの取り組みが進む。

脱炭素で経済効果388兆円

 産業革命前からの気温上昇を1・5度に――。地球温暖化対策を話し合う昨秋の国際会議(COP26)で合意された目標に向け、日本政府など先進各国は、2050年の温室効果ガスの排出量実質ゼロを掲げる。

 企業税務や監査を手がけるデロイトトーマツグループの試算では、そのために今から脱炭素に取り組まないと、今後50年間の国内の経済損失は95兆円に上る。19年の台風19号による被害の85倍以上だ。逆に目標を達成すれば、388兆円の経済効果があると見込む。

 こうした認識の下、国際的な企業が自ら使う電気を全て再エネで賄うことを目指す取り組み「RE100」には、347社が加盟している。日本企業も63社が参画する。

海外拠点も2023年までに再エネ化

 プリンター製造大手「セイコーエプソン」(長野県諏訪市)もその一つ。国内のグループ企業全体の年間消費電力量は530ギガワット時に上り、平均的な家庭約12万戸分にあたる。昨年11月、それを全て再エネの電気に切り替えた。

 東北の拠点では組み立てロボ…

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