県議の海外視察は単なる観光? 裁判で問われた酒と「コピペ報告書」

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阪田隼人 谷瞳児 堅島敢太郎
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 香川県議の海外視察を巡り、計20人に旅費の返還を求めるよう知事に命じる昨年12月の高松地裁判決が確定した。議決を経たうえでの「視察」を、裁判所が違法としたのはなぜか。

 市民オンブズ香川など原告側が高松地裁に提訴したのは、2016~17年の4件の海外視察について。「単なる観光旅行で違法」として、県議20人分の旅費計約3400万円などを返還させるよう求めていた。

 判決は「実質的には観光であり、議員として『職務を行う』ものではない」として、1件は旅費の全額、ほか3件は一部の返還請求を認め、計約760万円を県議20人に請求するよう浜田恵造知事に命じた。

 中でも17年6月に議員6人が訪問したドイツスイスイタリアの視察は、9日分の旅費全額約600万円の返還を求めた。原告側が想定した以上の「画期的」な判決内容となった。

 これまでも、青森や宮城、山梨で県議の海外視察の旅費返還請求を命じる判決が出されている。ただ、今回のように1回の視察で議員1人あたり100万円を超える返還請求を命じるケースはまれだ。

 ドイツ―イタリア視察は17年当時、現地での様子を民放が全国放送し、波紋を呼んだ。議員らが視察の合間に飲酒したり、観光名所で繰り返し写真撮影したりする姿に、番組の司会者は「税金があんな使われ方をしていたら許せないでしょ」と批判。放映後は議会に抗議電話が殺到した。

 ある議員は判決を受け、悔しそうにつぶやいた。「現地で飲酒する我々の姿がテレビ放映されたからだろう。私は下戸で、最初の一口以外はウーロン茶とコーラだったのだが……」

 このテレビ番組の映像は裁判…

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