新型コロナウイルス感染症の「第6波」が急拡大する中、突然の病気やけがで運ばれる救急患者の行き場が見つからないケースが増えている。そもそも冬場は救急搬送が増える季節だが、コロナ向けの病床を増やしたことで、そのほかの患者の受け入れが難しくなっているためだ。
東京都新宿区にある国立国際医療研究センター病院は、都内でも屈指の救急の拠点だ。24時間態勢で治療にあたっている。
24日午後、救命救急センターの初診室に六つある診療ブースも、二つの処置室も、すべてベッドは埋まっていた。
脳卒中など、命にかかわる患者の治療にあたるスタッフの間を縫って、救急隊員が患者を運ぶ。
救急措置を終えると、転院のために運び出されていく患者もいる。
「増える救急患者の受け入れで、一般病床は満杯状態です」
救命救急センター長の木村昭夫医師は危機感をあらわにした。
病院に横付けした救急車で待機
気温が下がる冬場は、心臓病…