「調査終了は論外」総務省会議で批判噴出 郵便局長の顧客データ流用

藤田知也
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 日本郵便は25日、郵便局長らが1300人超の顧客情報を政治流用したとする調査結果を、総務省の有識者会議に報告した。郵便局データのビジネス活用を検討する会議だが、今回の問題の原因を示さずに調査を終える方針の同社に対し、出席した有識者から厳しい批判が噴出した。

 25日の会議では、「信頼獲得というデータ活用の前提ができていないのはかなり衝撃的な話だ」(増島雅和弁護士)、「国民の信頼が破られている状態だ」(森亮二弁護士)といった声が相次いだ。森氏は「発生原因にメスが入らないと、また起きると多くの人が考えてしまうのでは」とも述べた。

 巽智彦・東大大学院准教授は「調査を終えるのは論外」として実態解明を求めた。局長らの行為について「違法なのはほぼ確実」とし、同社が「不適切」との表現を使うことについても「個人情報保護法がわかっていないと知らしめる事態だ」と批判。総務省と個人情報保護委員会にも適切な監督を求めた。

 こうした批判に対し、日本郵便の担当者は「個人情報の不適切な取り扱いがあり、改めておわびする」と述べ、「必要な調査は行っている」と理解を求めた。

 日本郵便の調査では、局長104人が1318人分の顧客情報を政治目的で流用・流出。流用された情報には、郵便局に加えてゆうちょ銀行やかんぽ生命の保有分も含まれる。同社は局長らの研修などを再発防止策に挙げたが、防止策の前提となる不正の発生原因は明らかにしていない。その一方で、郵便局長会内での指示などは詳しく調べずに調査を打ち切る方針を示している。

 会議は「郵便局データの活用とプライバシー保護の在り方に関する検討会」(座長=谷川史郎・東京芸大客員教授)。日本郵政グループが掲げる顧客データ利活用の経営方針を後押しする狙いもある。(藤田知也)