政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は25日、厚生労働省が新型コロナウイルスの感染拡大で外来診療が逼迫(ひっぱく)した場合、40歳未満などで重症化リスクが低く軽症の人は、受診せず自分で検査して自宅療養できるようにする方針を示したことについて、専門家の間でも意見にばらつきがあると明かした。専門家による「基本的対処方針分科会」後、記者団に語った。
政府方針について、尾身氏は、専門家の中で二つの考え方が出ていると説明。「専門家の間でも悩ましい」と話した。
一つは、基礎疾患を持っていない人でも重症化する可能性があるため、「どんなに医療が逼迫(ひっぱく)しても、一人一人をケアするのが医療の根本ではないか」という意見。もう一つは、重症化しないと分かっている人を検査すると、医療が逼迫し、社会機能が維持できないという政府方針に近い意見だという。
尾身氏は、受診を抑制する場合、「療養している人に何かあった時のサポートが必要で、今から考えておくことが今度の研究課題になる」との認識を示した。
さらに「ステイホームする必要がない」との自らの発言について、「『接触の8割削減』のように全員、家にいてもらいたいといった一律で広範な外出自粛は必要がないという意味だ」と釈明。感染リスクの高い場所への外出を避けるよう呼びかけた。(宮田裕介)

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