ガソリンへ補助金、消費者の恩恵見通せず 販売側は店頭の混乱を警戒
政府がガソリンや灯油などの価格上昇を抑えるため、異例の補助金支給に踏み切る。消費者がどのくらい恩恵を受けられるのか不透明で、ガソリンスタンドなどで混乱が生じる恐れもある。
長崎県は離島も多く、レギュラーガソリン1リットルあたりの平均価格が、17日時点で176.3円と全国で最も高い。ガソリンスタンドなどでつくる長崎県石油商業組合の上野一茂・専務理事は補助金について、「店頭価格が下がると誤解した消費者から、なぜ値下がりしないのかと苦情を受ける恐れがある」と懸念する。
石油元売り会社には1リットルあたり3.4円出るが、その分いまの小売価格が下がるわけではない。価格は地域や店によって異なり、全国の店で170円に統一されるわけでもない。ガソリンスタンドでつくる全国石油商業組合連合会(全石連)などは14日、「店頭における不要な混乱を回避するため」として、消費者への制度の周知を経済産業省に求めた。
全石連の加藤文彦副会長は、補助金がスタンドの経営を圧迫する可能性を指摘する。ガソリンの卸売価格は年始から10円近く上がったが、十分に価格に転嫁できていない店もある。補助金発動後は消費者の反発も想定され値上げしづらく、「経営がますます厳しくなる恐れがある」という。
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