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「最期」に余生捧げた106歳 人生は定年後から…残した「声」

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平田瑛美
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 終末期のがん患者の緩和ケアをする医療施設「ホスピス」が近畿で唯一なかった奈良県で、開設に尽力してきた馬詰(ばづめ)真一郎さん(106)が昨年11月、亡くなった。活動の傍らで朝日新聞のオピニオン面「声」にたびたび投稿を寄せ、自身の経験や考えを惜しみなく伝えた。

 末期がん医療に関心を持つきっかけは、70歳の時に見た姉の最期だった。馬乗りになった医師に心肺蘇生をされていた。「姉らしい最期」を迎えられるホスピスの必要性を感じたのち、奈良県にホスピスがないことを知り、動き出した。

 85歳で会社勤めを終え、「県ホスピス勉強会」(現・県のホスピスとがん医療をすすめる会)を立ち上げた。会員を集めるためのホームページは独学で作った。2002年、3万8千人分の署名を集めて県に提出し、05年に国保中央病院(田原本町)に県内初のホスピスができた。90歳になる年のことだった。100歳を超えても、スーツを着て活動に訪れ、ホスピス増床に努めた。

病室にPC 亡くなる直前までメールを送信

 馬詰さん自身はがんを患っていたわけではなく、心疾患と付き合い、肺炎で河合町の老人ホームで息をひきとった。なぜ、余生を捧げたのか。

記事後半では馬詰さんが投稿した朝日新聞オピニオン面「声」を紹介します。

 14年に馬詰さんから会長を…

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