岡山の桜鯛、白桃食べてフルーツ魚に きびだんご由来のキビ案は断念

神崎卓征
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 岡山産の白桃を混ぜた餌で育て、販売が始まった養殖マダイ「桃鯛(だい)」は、さわやかな脂と美しい桃色の魚体が特徴だ。岡山のブランド魚として期待が高まっている。

 カボスやミカンなどを餌に混ぜての養殖は各地で取り組みが進み、「フルーツ魚」と呼ばれる。桃鯛を開発した水産会社「岡山中央魚市」(岡山市南区)は、「岡山ならではの特徴を持つブランド養殖魚を作れないか」と考え、様々な餌を混ぜる構想を練った。

 当初はきびだんごにヒントを得て、穀物のキビを混ぜた餌で鯛に挑んだ。しかし、国産のキビの確保に苦労するなどして断念。その後もピオーネ、マスカットなどの果物を使うことを検討し、乾燥した粉末が入手できるという理由で白桃に決まった。

 粉末は、白桃の缶詰を作る際に出る皮や果肉を利用したもの。餌に混ぜる量などは「企業秘密」で、飼料業者とも相談し開発した。あまり桃を多く混ぜると魚が弱るため、食いつきが良く健康的に成長する最適の分量を調整した。

 養殖場所は、年間通して水温が安定し、潮通しが良い愛媛県宇和島市沖の宇和海。約1年かけて昨年末、ようやく出荷の日を迎えた。

 桃鯛の特徴の一つは脂。十分に脂が乗っていても、しつこさが全くなく、さっぱりしている。魚の臭みも全く感じられないという。桃色の魚体も美しく、見た目も良い。

 食べ方について岡山中央魚市の森下堅盤・総務部課長代理は、刺し身を推す。「あまりにおいしいので、焼いたり煮たりする調理は、もったいなくてまだ試したことがない」。岡山中央魚市は、関西や首都圏に向け年間10万匹を出荷する目標を立てている。(神崎卓征)