22年の世界経済、成長率は4.4% 米中減速で急ブレーキ

ワシントン=青山直篤
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 国際通貨基金(IMF)は25日、最新の世界経済見通しを示し、2022年の世界の成長率を前年比4・4%と予測した。コロナ変異株の拡大や米中経済の減速を踏まえ、前回(21年10月)の予測より0・5ポイント減と大きく引き下げた。コロナ危機が起きていなかったと仮定した場合と比べ、世界経済の損失が20~24年で累積13・8兆ドル(約1570兆円)に上るとの試算も示した。

 下方修正は、米国の財政金融政策の縮小による影響が大きい。バイデン米政権が目指した総額2兆ドル規模の社会福祉投資法案の見通しが立たず、米連邦準備制度理事会(FRB)もインフレを受けた金融引き締めへと動くためだ。米国の22年の成長率は4・0%と、前回予測を1・2ポイントも引き下げた。

 中国も、コロナ対応の厳しい経済統制や、不動産大手・中国恒大集団の経営危機を踏まえた不動産部門の引き締めに伴い、22年は前回比0・8ポイント減の4・8%を見込む。21年の8・1%から大幅な減速となる。

 22年中も財政金融政策の下支えが続く日本については、22年は3・3%の成長と、0・1ポイント上方修正した。21年の1・6%の成長は先進国では最低水準だったが、22年にかけて回復ペースは上向くことになる。

 世界的な供給網の混乱も続き、輸出への依存度が高いドイツは22年、前回比0・8ポイント減の3・8%にとどまりそうだ。ユーロ圏全体でも0・4ポイント減の3・9%と、回復の勢いは弱まる。

 供給制約とエネルギー価格の上昇が拍車をかけているインフレは、特に新興・途上国に大きな影響を及ぼしそうだ。FRBの金融引き締めにより、従来流れ込んでいた投資資金が引き揚げられるリスクが強まるほか、自国でもインフレを抑えるため、コロナ禍からの回復がまだ不十分な段階で財政金融政策を縮小しなければならない状況にある。ブラジルの22年の成長率は0・3%と、1・2ポイントも下方修正した。(ワシントン=青山直篤)

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    吉岡桂子
    (朝日新聞編集委員=中国など国際関係)
    2022年1月26日21時36分 投稿

    【視点】IMFが中国のゼロコロナ政策を経済減速と関連づけて言及したことは中国でも話題です。国際機関の加盟国の経済への問題提起や指摘は、国際機関の言葉を通じて国内を動かしたい当該国政府関係者の意向を受けたものだったりします。日本の場合も過去、実は財務