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薬局、病院で「悲鳴」も 抗原検査キットやPCRの試薬不足

オミクロン株新型コロナウイルス

根本晃、柏樹利弘、木村俊介
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 新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、東海3県でも、感染の確認に使われる「抗原検査キット」の品薄が指摘されるようになっている。名古屋市内の一部薬局などでは店頭から姿を消し、医療機関からも「悲鳴」が上がる状況だ。

 「本日午前中で売り切れました。次回の納品は未定です」

 25日午後、名古屋市中心部にある大手ドラッグストアチェーンでは、店員がそう説明していた。記者が訪れた5店中3店で、在庫の品切れが確認できた。

抗原検査キット、買い求める客が急増

 その中の一つ「Vドラッグ」を東海地方を中心に広く展開する「バローグループ」の広報によると、検査キットは現在、東海全域で在庫が品薄になっているという。感染拡大にともなってキットを求める客が1月中旬ごろから急増。卸業者に追加発注しているが、メーカー側の生産が追いついていない状況だ。広報担当者は「オミクロン株は感染拡大のスピードが速く、その分、検査キットの需要も急速に高まっているのではないか。すみやかに店頭に並べられるよう、取り組んでいる」と説明する。

 店頭だけでなく、医療機関で使われる検査キットの在庫も心細くなっている。

医療機関で在庫不足の声も

 日々発表される感染者数が1千人を超え、25日には2千人近くになった名古屋市。市医師会によると、ここ1~2週間、検査キットを注文してもなかなか確保できない状況が続いているという。複数の医療機関から「検査キットがほしい」といった連絡があったといい、担当者は「直接、連絡をいただくのは一部だが、どこも在庫が減っている状況ではないか」と懸念する。

 三重県でも1月中旬以降、県北部を中心に「抗原検査キットが足りない」という声が出始めた。感染拡大で医療提供体制に負荷がかかっていることもあり、無症状の住民らに対して医療機関や薬局で検査をする事業について、一部が受け付けを止めたという。

PCR検査の試薬も不足

 検査キットだけでなく、PCR検査に使う試薬不足への懸念も出ている。

 岐阜県では一部の医療機関で試薬が底をつきかけた。三重県でも試薬を近隣の医療機関同士で融通し合うケースがあるという。

 名古屋市は24日、学校や職場などで感染者が確認された際の、濃厚接触者へのスクリーニング検査を当分とりやめると発表した。市の委託先の業者から「PCR検査の試薬がないので検査できない」と伝えられたためだ。市は当面、濃厚接触者に10日間の自宅待機を要請し、症状が出た場合は医療機関を受診するよう呼びかける。もとの態勢に戻すメドはついていないという。

愛知県全体では在庫 知事「融通していけば」

 一方、愛知県によると、県全体では抗原検査キットもPCR検査の試薬もまだ余裕があるとしている。大村秀章知事は25日の記者会見で、「県内で足りないなら、密に連絡を取り合って融通してやっていければいい」と述べ、各市町村の逼迫(ひっぱく)度合いをみながら、連係していく考えを示した。(根本晃、柏樹利弘、木村俊介)

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