どちらと暮らす?「お父さん」即答した子どもの死 自治会長の後悔

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徳山徹
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 福岡県飯塚市鹿児島市で幼い3児の遺体が見つかった事件。再発防止策を探っていた飯塚市の「3児童死亡事例検証委員会」が25日に示した検証報告書は、「二度とこのような事件を起こさない」との願いを込めてまとめられた。提言を、市は生かすことができるのか。

 報告書などによると、田中涼二被告(42)=殺人、傷害致死罪などで起訴=一家が福岡市から飯塚市に転居したのは2020年の4~7月。大翔(ひろと)君(当時9)は母親の連れ子で、蓮翔(れんと)君(同3)と姫奈(ひな)ちゃん(同2)は田中被告の実子だった。

 夫婦げんかの末にその年12月に妻は家を出て、田中被告と3児の暮らしが始まった。小学3年生で普通に登校していた大翔君は翌年から休みがちになり、1~2月はそれぞれ3、4回登校しただけ。最後の登校は2月10日だった。田中被告から「家族で遊びに行くので」などの連絡が毎日のように学校にあったが、それも22日で途絶えた。

 大翔君の遺体が自宅で見つかったのは3日後。翌26日には鹿児島市のホテルで実子2人の遺体が見つかり、田中被告は4階の客室から飛び降りて重傷を負った。大翔君への傷害致死罪や実子2人への殺人罪などで起訴されたが、公判はまだ始まっていない。

 報告書はこうした状況を踏まえ、学校は「欠席が続いても田中被告から『体調が悪い』と連絡があったことなどから、特に問題視していなかった」ほか、市は「田中被告からの頻繁な連絡はSOSだった可能性があるが見逃した」と指摘した。市要保護児童連絡協議会についても「本来持つべき虐待の危険度を判断する機能などがなかった。形骸化している側面が否定できない」と厳しい見方を示した。

 今後の課題として、市子育て支援課を軸に各機関が連携、情報共有する態勢づくりの必要性を強調。地域との連携にも言及し「虐待に関連する全団体と意見交換などをする組織をつくり、虐待防止の連携・協力態勢を構築する必要がある」と提言した。

 検証委は児童福祉に詳しい短大教授や医師、弁護士ら6人で構成。昨年6月から計10回の会合を重ね、県田川児童相談所や小学校、保育施設など6団体の約10人からヒアリングした。一家が暮らしていた県営住宅の自治会長らからも報告を受けた。

記事後半では一家が暮らした県営住宅の自治会長が、夫婦げんかがあった当時のことなどを語り、「24時間、年中無休の相談窓口が必要」と指摘します。

 検証委の委員長を務める岡上…

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