北大の木々でいぶした「燻製コーヒー」、思い出よみがえる味わいに

芳垣文子
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 北海道大学札幌市内の人気コーヒー店が、大学構内で伐採した樹木で豆をいぶしたコーヒーを共同開発した。木々を記憶にとどめたいと考えた教員の発案で生まれ、味わい深い香りをまとったコーヒーに仕上がった。

 コーヒーの名前は「アノトキ」。焙煎(ばいせん)した豆を、北大の構内で伐採した樹木のチップでいぶした「燻製(くんせい)コーヒー」だ。2月1日に売り出す。

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大学内で行われた試飲会でコーヒーを入れるスタッフ=札幌市北区

 用いたのは構内にあったニセアカシア、イチョウ、ミズナラ、アカナラ、エゾイタヤなどの木々。樹齢100年を超すイチョウもあったという。

 キャンパスの南西部には跨道橋(こどうきょう)が架かっていたが、昨年10月に老朽化のため撤去され、工事に伴って約320本の木々も伐採された。同大科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)特任講師朴炫貞(パクヒョンジョン)さん(38)=現代アート=が、木々の記憶を何らかの形で残したいと考え、身近に楽しめるコーヒーを思いついたのがきっかけだった。

 もともと燻製コーヒーを販売していた札幌・円山地区にある人気コーヒー店「RITARU COFFEE(リタルコーヒー)」が、ノウハウを生かそうと協力した。焙煎したコーヒー豆に、木のチップをいぶして煙をまとわせる。煙をかける度合いを調整しながら何度か繰り返し、ほどよい香りが出るように試行錯誤を続けた。

 用いた豆はタンザニアやグアテマラなどアフリカや中南米産。昨年4月から約8カ月かけて商品化にこぎ着けた。チップの水分量や気温、季節などにより味は異なるという。

 朴さんは「木々の記憶がよみがえるような味。木が生きていたときを知っているので、燻製まで全てのプロセスを見られてぜいたくに感じました」と話す。

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コーヒー「アノトキ」の箱を手にする朴炫貞さん(左)と、リタルコーヒー社長で焙煎士の三上悦史さん=札幌市北区

 箱入り豆(120グラム)1470円、ドリップパック一つ(8グラム)200円など。3050円~8930円の詰め合わせギフトボックスもある(いずれも税込み)。北大内の各売店、リタルコーヒーの店舗、オンラインストアなどで販売する。(芳垣文子)