組織的カンニングに懲役刑も 人生懸けた中国の受験、続出する不正

北京=冨名腰隆
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 大学入学共通テストで、世界史Bの問題が外部流出した疑いが発覚した。古くから「受験大国」だった中国では、今も昔も不正の問題がつきまとう。

 中国人にとって「高考」と呼ばれる大学受験は、人生を懸けた一大イベントだ。そもそも、日本の試験制度は、中国で隋の時代から1300年以上も続いた官僚登用試験の「科挙」に由来する。

 中国では少子化が進む一方、経済的な豊かさを背景に大学進学を希望する学生は増えている。2019年には高考の受験者数が初めて1千万人を突破した。競争が激しくなる中で、不正行為も後を絶たない。

 北京では16年に、過去最大規模とされる33人が関与したカンニング事件が起きた。消しゴムに見せかけた受信機や、耳の中に収まるイヤホンなどを使って外部と連絡を取っていたとされる。事件を主導した6人が懲役4年から1年8カ月の判決を受けた。

 昨年も、高考の数学試験中に、試験問題をスマホで撮影し、答えを聞くため学習アプリに投稿した湖北省の受験生が通報され、受験資格を失った。

 中国の刑法では、高考や司法試験などの国家試験で組織的に不正を働いた行為に最高7年の懲役刑を定めるほか、受験資格を最高3年間剝奪(はくだつ)する教育省のルールもある。

 最高人民法院最高裁)と最高人民検察院(最高検)は19年、不正行為に関する「解釈」を発表。「ボタン型や眼鏡型のカメラは、いずれもカンニング機材と認められる」などと細かく規定した。懸命な対応が、問題の深刻さを浮き彫りにしている。(北京=冨名腰隆