韓国は電子機器持ち込みを全面禁止 それでも根絶できないカンニング

ソウル=神谷毅
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 大学入学共通テストで、世界史Bの問題が外部流出した疑いが発覚した。韓国では、かつて起きた組織的なカンニング事件をきっかけに、厳しい対策が取られるようになった。

 韓国では毎年11月、日本の大学入学共通テストにあたる「大学修学能力試験」が行われる。その事件は、2004年に起きた。

 仕組みはこうだ。勉強がよくできる生徒を「選手」、カンニングをしたい生徒を「観客」と呼び、試験会場の外の旅館などで待機し、カンニングを組織して管理する「コーチ」と役割を分担した。

 そのうえで、コーチが選手たちから携帯電話などを通して回答用紙を入手。回答を作成し、一つの科目につき50万~70万ウォン(約5万~7万円)を払った観客たちに転送していた。

 これによって成績が無効とされた生徒は300人余りだったという。

 この事件をきっかけに、2005年から携帯電話やデジタルカメラなど「全ての電子機器」を持って試験会場に入ることが禁じられた。ただ教育省によると、2020年の試験でも232件の不正行為があり、そのうち「電子機器の所持」が59件起きており、不正を根絶できているわけではない。

 教育熱の高い韓国では、試験の日は社会全体が緊張する。道路が渋滞して受験生が遅刻しないよう、企業は始業を遅らせる。寝坊した受験生が白バイで会場に急送されることもある。(ソウル=神谷毅)