留学生事故死から21年 「コロナ下、国籍超えて助け合う気持ちを」

小川崇
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 東京都新宿区のJR新大久保駅で、韓国人留学生の李秀賢(イスヒョン)さん(当時26)とカメラマンの関根史郎さん(当時47)が線路に落ちた男性を助けようとして死亡した事故から、26日で21年。駅構内の顕彰碑前には日韓両国の関係者が献花に訪れ、花を手向けた。

 同日午後、韓国の姜昌一(カンチャンイル)・駐日大使や李さんが通っていた赤門会日本語学校の関係者らが顕彰碑前で追悼し、事故があった付近のホーム上でも祈りを捧げた。その後、近くで追悼式が開かれた。同校の新井時賛理事長は「コロナの厳しい状況でも彼を忘れず、国家間の友好を考えていく熱い思いを感じた」と話した。

 新井理事長によると、李さんの母、辛潤賛(シンユンチャン)さんは毎年のように追悼に合わせて来日してきたが、コロナの影響で昨年に続き来日できなかった。辛さんは「毎年1月になると、息子に会えそうな気がして、胸を躍らせながら日本行きを心待ちにしていました。昨年に続きこのように挨拶(あいさつ)することとなり、少し残念な気持ちです。遠く釜山から感謝の意を申し上げたい」とコメントを寄せた。

 事故翌年の2002年、両親や日本人有志らの寄付金を原資に、アジアから日本への留学生に支給する奨学会が設立された。奨学生は1千人を超えるという。これまでも、日本で学ぶ多くの留学生らが現場を訪れてきた。東京大の大学院で日本政治を学んでいるというイ・スミンさん(30)は「コロナ下で、国籍を超えて人間同士の助け合いは必要だと感じている」と話した。

 事故は01年1月26日午後7時15分ごろに起きた。李さんと関根さんが、山手線新大久保駅のホームから転落した男性を救助しようと線路に飛び込み、3人とも亡くなった。

 事故などをきっかけに安全対策が進み、JR東日本ホームドアの導入を進めてきた。昨年末時点で76駅に導入済みで、32年度末ごろまでには、首都圏を中心に在来線243駅まで広げるという。(小川崇)