欧米の制裁は「両刃の剣」 ロシアの報復想定、天然ガスの確保めざす

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ワシントン=高野遼、青山直篤、ベルリン=野島淳、パリ=疋田多揚、モスクワ=喜田尚
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 緊迫するウクライナ情勢をめぐり、欧米各国はロシアが軍事行動に出た場合の経済制裁に向けた動きを本格化させ、圧力を強めている。米政府は25日、同盟国と連携した先端技術の輸出規制を検討していると発表した。ただ強力な制裁は、欧州経済にも打撃を与える「両刃の剣」であり、欧米諸国の間での合意形成に難しさも残っている。

 米政府が新たに打ち出した輸出規制は、ロシアがウクライナに侵攻したら、米国のソフトウェアや技術を用いた製品のロシアへの輸出を禁じるもの。政府高官は、対象分野として人工知能(AI)や防衛、航空宇宙産業などを例に挙げた。

 同様の輸出規制としては、2020年にトランプ前政権が中国の通信機器大手の華為技術ファーウェイ)に対し、米国の半導体製造装置や設計ソフトウェアを使ってつくられる高性能半導体の輸出を禁じた例がある。

 またバイデン米大統領は同日、ロシアのプーチン大統領個人への制裁についても検討していると述べた。米議会では、ロシア政府高官や金融機関、石油や天然ガスなど資源産業への制裁を盛り込んだ法案も提案されている。

 ただ、制裁をめぐっては、ロシアとつながりの深い欧州経済への打撃を懸念する各国の間で温度差がある。ロシアが「報復」として欧州への天然ガス輸出を制限すれば、エネルギー価格の高騰にも拍車がかかる。米政府は25日、中東など世界各地の資源国から欧州に液化天然ガス(LNG)を送る代替ルートの確保に取り組んでいると明かした。

 欧米側は各国の対応が割れることで、ロシアに足元をみられて軍事侵攻を許す事態を避けたい考えだ。24日には欧米6カ国の首脳らがビデオ電話で協議するなど、一致した対応に向けて調整を急いでいる。

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