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コロナ陽性、低リスクは「自主療養」 医療逼迫備え移行決定 神奈川

新型コロナウイルスオミクロン株

末崎毅、茂木克信
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 神奈川県内では26日、過去2番目に多い4千人台後半の新型コロナウイルスの感染者が発表された。感染拡大のピークが見通せない中、県は医療逼迫(ひっぱく)に備え、「自主療養」という新たな自宅療養の仕組みを始める「ステップ3」に、28日から移行すると決めた。

医療逼迫備え「ステップ3」

 自主療養の詳細は、26日の県の対策本部会議で説明され、承認された。対象は市販検査キットによるセルフテストや無料検査で陽性になり、6~49歳で糖尿病など基礎疾患がない重症化リスクの低い人。自分のスマートフォンなどから県の「自主療養届出システム」に氏名や住所、基礎疾患の有無、検査結果の画像などを入力し療養に入る。強制ではない。

 システムに入力すると、勤務先や通学先に提出できる書類「自主療養届」が自動で発行される。自主療養者は、LINEなどによる療養サポートを受けられることにした。体調が悪化した場合は「コロナ119番」などで対応し、受診を勧められることもある。

 自主療養者には法律に基づいて外出しないよう求めることはできず「行動を控えてくださいというお願いになる」と県幹部。黒岩祐治知事は「それなりのご対応をしてくださるものと期待している」としたが、県は今後、自主療養者に具体的にどんな行動を「お願い」するかを検討する。

 陽性になったら医師がつくる「発生届」も、自主療養にとどまる場合は作成されない。県や保健所がある市は、この発生届を集約して患者数を発表していたが、自主療養が始まった後は発生届と自主療養届の二つの件数を発表する方向だ。

 オミクロン株は若年層のほとんどが軽症なのが特徴だ。医療機関や保健所は「50歳以上もしくは5歳以下」「血中酸素飽和度95%以下」「重症化リスク因子あり」といった条件を満たした「重点観察対象者」のフォローを優先する。

「酸素投与センター」再稼働 1日から搬送先決定まで応急処置

 県は自主療養の仕組みを始めるステップ3では、入院対象者の条件を「血中酸素飽和度が95%以下」などとさらに絞る。ただ、自宅などで療養中に症状が悪化して対象者になっても、空き病床がなくてすぐ入院できない恐れがある。そこで県は26日、搬送先が決まるまで酸素投与の応急処置を行う「緊急酸素投与センター」を、2月1日から再び稼働させると発表した。

 場所は、県の宿泊療養施設「東横INN横浜スタジアム前Ⅱ」(横浜市中区)の3階で24床を用意。酸素投与のほか、常駐する医師の判断で発熱や嘔吐(おうと)などに対する投薬も行う。抗体カクテル療法は行わない。

 緊急酸素投与センターは第5波中の昨年8月7日から9月30日まで横浜市内の別の宿泊療養施設(すでに運用終了)に設けられ、110人が利用した。

 コロナ病床の利用率は、感染拡大につれて上昇している。とくに中等症・軽症用が顕著で、入院患者は26日時点で875人、病床利用率はすぐ患者を受け入れられる即応病床ベースで57%まで上がった。県は21日、中等症・軽症用に限り、確保病床数を最高の「災害特別フェーズ」(2230床)に引き上げたが、医療従事者にも感染が広がり、増床は思うように進んでいない。

 26日の会見で、黒岩祐治知事は「病床逼迫に向かって進んでいると思わざるを得ない。(感染拡大が)早くピークアウトを迎えないと、かなり厳しい状況になる」と危機感を示した。(末崎毅、茂木克信)

県内、新たに4794人感染

 神奈川県内では26日、新型コロナウイルスの感染者4794人が発表された。新規感染者数としては24日発表の5276人に次いで過去2番目に多く、3日連続で4千人を超えた。死者の発表はなかった。また県は25日に発表した1人について感染を取り下げた。県内で発表された感染者は延べ21万2275人(朝日新聞集計)になった。

 感染者の居住地別内訳は横浜市1945人、川崎市1031人、横須賀市321人、相模原市270人、藤沢市268人、茅ケ崎市167人、大和市109人、鎌倉、厚木市各73人、小田原市57人、三浦市40人、海老名市39人、寒川町36人、座間市34人、逗子市33人、平塚市20人、秦野市15人、綾瀬市と愛川町各13人、葉山町10人、南足柄市と開成町各9人、伊勢原市湯河原町各6人、箱根町4人、松田、真鶴町各3人、大磯、二宮、大井町各1人。県外と自治体非公表は計184人。

米軍関係計71人感染

 米海軍厚木基地(綾瀬市、大和市)は26日、米軍関係者7人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。26日時点で、回復した人を除く同基地の感染者は63人。

 また、座間市は、19~26日に在日米陸軍関係者64人が感染したと26日発表した。キャンプ座間から連絡が入った。

     ◇

県、感染症拡大防止事業補助金の公募開始

 県内の中小企業などが使える「感染症拡大防止事業補助金」(第3次)の公募を、県が始めた。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、飛沫(ひまつ)を遮るものや換気設備、加湿器、非接触体温計などを導入した場合、100万円を上限に、対象経費の4分の3まで補助される。

 受け付けは2月18日までで、先着順。県の「感染防止対策取組書」の掲示が条件で、昨年度以降に同じ趣旨の補助制度を使った事業者は申請できない。

 公募要領などの詳細は、県のホームページ(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/jf2/r3_kansen-boushi3.html別ウインドウで開きます)で。

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