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「病院が決まらない」救急搬送困難が急増 現場で2時間待機の事例も

新型コロナウイルス

福冨旅史
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 新型コロナウイルスの感染者が増え続ける中、広島県で救急患者の受け入れ先の病院が決まらない「救急搬送困難事案」が急増している。広島市内で23日までの1週間で72件となり、過去最多レベルの事態だ。現場の病院からは「限界に近い」という声も上がっている。

 「今まで経験したことがないほど、病院が決まらない」。市消防局救急課の担当者は、最近の救急搬送の状況をこう話す。

 救急搬送困難事案は、救急隊が医療機関に4回以上受け入れが可能か照会し、救急隊が現場に到着してから搬送開始までに30分以上かかった場合を指す。

 これまでは「第3波」の2020年12月の1週間で61件が最多で、昨年12月20~26日は30件だった。しかし、12月27日~1月2日には60件に倍増。1月3~9日では79件に増え、「まん延防止等重点措置」の適用後の10~16日には80件と過去最多を更新した。そのうち、発熱や呼吸困難などでコロナ感染の疑いがある事例が6割近い47件を占めた。

 救急課によると、自宅で転倒した高齢者が119番通報したものの、救急車の到着後に医療機関に23回照会し、現場での待機が2時間に及んだ事例もあった。

 「ギリギリの状態だ」。市立安佐市民病院(同市安佐北区)の島谷誠士総務課長は話す。同病院では、急ぎではない手術を延期し、コロナ病床の看護師を増やして対応しているが、島谷課長は「医師も看護師も疲弊している」と訴えた。

 福山市でも、今年1月1~25日の救急搬送困難事案は80件で、過去最多レベルという。福山地区消防組合救急救助課の担当者は「隊員の防護服や救急車の消毒など、コロナ疑いの患者の搬送には時間がかかる。自宅療養が増えたことで、今までにないほどコロナ疑いの患者からの通報が増え、コロナ以外の患者にも影響が出ている」とみている。

 同組合は、救急要請の判断に迷ったら、相談員や看護師が助言をくれる救急相談電話「#7119」にかけるよう呼びかけている。(福冨旅史)

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