NATO、ロシアに書面回答 協議継続を呼びかけ ウクライナめぐり

ブリュッセル=青田秀樹
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 ロシアの軍備増強で緊迫するウクライナ情勢をめぐり、北大西洋条約機構(NATO)は26日、ロシアの要求に対するNATOとしての回答を書面で送った。旧ソ連の国々へのNATOの拡大断念などの求めに応じない姿勢を改めて明確にする一方、ミサイルの配備制限や武力衝突を避ける手段の確立などを提案し、協議の継続を呼びかけた。

 ストルテンベルグNATO事務総長が記者会見して発表した。「ロシアが応じるならば」という前提つきながら、対話と協議での問題の解決が可能だとの考えを示し、1月中旬に2年半ぶりに開いた「NATOロシア理事会」の継続に応じるよう求めた。

 同氏は、ロシアに対し「書面での提案を送った」と表現し、閉鎖されている双方の代表事務所の活動再開、危機を回避するためのホットラインの設置、軍事演習や核戦略についての相互説明などについて話し合いたい考えを示した。また核兵器や中短距離ミサイルなどの軍備管理についてもNATOロシア理事会で詳細に議論したいとし、「双方の安全保障の強化に役立つ分野が数多くある」と述べた。

 その一方で、「最悪の事態に備える」とも語り、ロシアがウクライナに侵攻した場合の準備を加速させていることも隠さなかった。NATOの即応部隊(NRF)のうち、まず5千人規模をフランスの指揮下で数日のうちに展開できる態勢をとっており、投入の決定は短期間で可能だという。NATO内部ではすでに、米国やデンマークの戦闘機がバルト諸国の基地に到着しつつあり、ロシアへの警戒を強めている。(ブリュッセル=青田秀樹)