時代劇が心配…7万人斬った高橋英樹さん「今こそ私は悪をやりたい」

有料会員記事

聞き手・編集委員 駒野剛 聞き手・岸善樹 聞き手・刀祢館正明
[PR]

 勧善懲悪のストーリーでお茶の間をにぎわせたテレビの時代劇がめっきり減った。NHKは制作を続けるが、水戸黄門も桃太郎侍も活躍の舞台は再放送に限られる。時代劇は生き残るか。

悪役という闇、ヒーローを輝かせる 俳優・高橋英樹さん

 1968年にNHKの大河ドラマ竜馬がゆく」で土佐勤王党のリーダー武市半平太を演じたのが、時代劇出演の始まりでした。

 以来、作家の司馬遼太郎さんがご存命の間に作られた大河には全て出させて頂きました。他にも数多くの時代劇に出演しましたが、こうしたドラマで斬った人の数は延べ7万人を超えました。

 時代劇に関わって、織田信長徳川家康島津斉彬といった歴史上の人物の足跡をたどったり本を読んだりと多くを学びました。見る人にとっても、普段は縁遠い江戸時代戦国時代など日本の歴史を学ぶ格好の機会になってきたと思います。

 しかし、今、時代劇は心配な環境にあります。あれほど多くの作品が毎日のように放送されていましたが現在は数えるほどです。社会が変わったと言えばそれまでですが、時代劇を作るには現代劇の数倍ものコストがかかります。それで制作するのに消極的になっているのでしょうか。

 遠くの通行人も衣装、小道具が必要ですし、電信柱のないところを見つけてセットを組む手間もかかる。

 役者は2、3年で何とかなりますが、こうした作業をこなすスタッフの養成は最低10年かかると言われます。時代劇を作らないとスタッフも時代劇から離れていかざるを得ません。高齢化しても補充がききません。時代劇を廃れさせれば復活は容易じゃない。

歴史を現代の視点から描くことで、表現の幅がどのように広がるのか。記事後半では脚本家の森下佳子さん、歴史学者磯田道史さんが論じます。

 それ以上に懸念しているのは…

この記事は有料会員記事です。残り2994文字有料会員になると続きをお読みいただけます。