ミスターICT、都立青山校長が説く未来のひらき方 「高きを望め」

校長から受験生へ

聞き手=編集委員・宮坂麻子
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 コロナ下で頑張る受験生たちへ、校長からのメッセージをお届けします。

校長から受験生へ:都立青山校長・小沢哲郎さん

 青高は「受験校」ではなく、「進学指導重点校」です。「進学指導」とは、生徒一人ひとりの望む進路に応じて未来をひらくことでしょう。受験テクニックを教え、実績になる大学へ導くことではない。「私の将来こんなもの」とあきらめる生徒をなくしたい。自分の可能性に気づいて未来に向けて努力する子がひとりでも増えれば、進学実績は結果として伸びてくる。

 全国の都道府県立高校で唯一残っていた男女別定員枠について、東京都教育委員会は、今回の2022年度入試から段階的に廃止していくことを発表しました。青高は、おしゃれな原宿、表参道に近い立地や、自由な校風、全クラスで演劇をする「外苑祭」などの影響もあってか、例年、男女とも志願倍率が高い。在籍生は男子が約30人多いですが、今後の入試では、男女同じ、もしくは逆転して女子が増えるのではないかと予想しています。

 「そうなると、難関国立大は理系の定員が多いため実績が下がるのでは」「進学指導重点校の指定は大丈夫か」などの声も聞きます。日比谷や西など、都立の進学指導重点校には「東大・一橋大東工大・京都大・国公立大医学部医学科の現役合格者が15人以上」など、複数の選定基準があるからです。10年ほど前、青山は基準をクリアできず、指定が危うい時期もありました。しかし、在校生が奮起し、実績を伸ばしました。

 私は心配していません。昨春には、文化祭実行委員や生徒会役員だった女子生徒が、一浪で東大に入学しました。難関私大で仮面浪人して国立大医学部に入った女子もいます。高校生活も充実し、目標の進路に向かう。男女関係なく、一人ひとりの希望の未来をひらくだけです。

 2年前、コロナ禍になってすぐのころ、2回ほど、約60万円かけて全生徒に教材を郵送しました。でも、後の実態調査でほとんど学習効果がなかったことがわかった。一方で、東大に進学した生徒を中心に約50人の卒業生が、手弁当でオンライン授業の支援に来てくれました。デジタルに詳しくない年配の教員にも、録画方法やライブ配信の方法を教えてくれた。ピンチはチャンス。結果的に全教員が双方向授業ができるようになりました。1人1台の端末も21年度から導入し、紙の資料の電子化も進みました。

 教員の指導力も青高の魅力です。私が指名した授業力のある教員の授業をほかの教員に見てもらい、「作問力は指導力」というスローガンの元、問題作成にも力を入れています。入試で出す自校作成問題に、男女ともにおそれず挑戦して欲しい。

 「高きを望め 青山で!」。自身の可能性に見切りをつけず、挑戦し続けてください。(聞き手=編集委員・宮坂麻子

     ◇

〈おざわ・てつろう〉1960年東京都生まれ。上智大外国語学部卒業後、出版業界で3年間勤務。通信制で学んで教員免許を取得し、87年、都立高(夜間定時制含む)の英語教諭に。2003年に都教委指導主事になり教育のICT化を進め、「ミスターICT」とも呼ばれる。16年から現職。

★東京都立青山高校

・所在地:東京都渋谷区

・創立:1940年(府立第十五中学校)

・生徒数:男子435人、女子406人

・進学実績:北海道大13人、東北大7人、東京大6人、東京工業大10人、一橋大14人、千葉大15人、東京外国語大7人、東京医科歯科大5人、京都大2人ほか国公立大計122人(うち医学部医学科4人)、私立は早稲田大36人、慶応大25人ほか(いずれも浪人生含む)

・都立の学区合同選抜時代は第2学区、学校群時代は22群で、いずれも戸山高校と一緒だった

・2003年から進学指導重点校として深い学びと教養を身につける「進学指導」を実践

・全クラスが劇を行う人気の文化祭「外苑祭」には例年8千人超が来場

・4技能の英語教育にも力を入れ、放課後にネイティブスピーカーと1対1で話せる場も

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