第3回北京で人気の「涙が噴き出す」ゲーム 集うのは心満たされぬ人たち

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北京=平井良和
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 2008年の北京五輪を機に再開発された、北京市中心部の三里屯には国際的なブランドショップが並ぶ。冬季五輪を控えてスキーやカーリングなどをイメージした電飾がともるが、多くの人は気にも留めずに通り過ぎていく。14年前の熱気は遠い。

 しかし、若者文化の発信地となってきたこの街で専門店が急増し、多くの人々を熱中させているゲームがある。

 その名は「劇本殺」。英語では「マーダーミステリー」と呼ばれ、映画のような脚本を手に客が登場人物になりきって演じる。ミステリー仕立てで犯人捜しを楽しむ脚本が多かったため、この名がついた。最近はホラーや歴史もの、SFものなどと多彩になった。

 盛り上がりは、「マージャンやカラオケに代わる新たな娯楽」(中国メディア)と評されるほど。専門店は北京だけで4千を超えるとも言われ、人気作家の「限定脚本」を取り寄せるなどして参加者を募る。

「自分とまったく違う人生を体験できる」

 1月初旬の週末の午後、ほとんどが初対面の20~30代の男女6人が専門店に集まり、それぞれの役の人物設定やセリフが書かれた脚本を手に机を囲んだ。「幸せ探し」をするグループ旅行で事件が起きるというストーリー。「運転手はどこへ行った」「あなたが消えたお金を取ったんでしょ」などとセリフに熱がこもる。5時間余りかけて演じ終えた後も、感想を語り合う時間が続いた。

夏と冬、ふたつの五輪を開く北京。14年の歳月は街を変え、人を変え、五輪への向き合い方も変えました。そこで暮らす人々の日常や価値観に光を当てると、強く勇ましいだけではない、別の中国の顔が浮かび上がってきました。

 料金は1人100~300元…

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