3歳女児衰弱死、母親の交際相手は女児の存在に「びっくりした」

新屋絵理
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 東京都大田区マンションで2020年、当時3歳の長女を自宅に残して衰弱死させたなどとして、保護責任者遺棄致死などの罪に問われた梯(かけはし)沙希被告(26)に対する裁判員裁判の初公判が27日、東京地裁であった。梯被告は起訴内容を認めた。判決は2月9日。

 冒頭陳述などによると、梯被告は長女の稀華(のあ)ちゃんと2人暮らし。同年5月8~11日と6月5~13日の計2回、当時の交際相手の男性に会うため鹿児島県に出かけ、稀華ちゃんを自宅の寝室に置き去りにした。その際はおむつを2枚重ねにし、扉が開かないようソファで固定するなどしたという。

 帰宅した梯被告が稀華ちゃんの異変に気付き119番通報し、死亡が確認された。旅行中の6月12~13日ごろ、脱水症と飢餓により亡くなったとみられる。寝室からはペットボトルの水とスナック菓子が見つかったが、解剖結果では飲食物の残りは発見されていないという。

被告も親から虐待 弁護側「影響を考えてほしい」

 検察側は①旅行に連れていく②知人に世話を頼む――ことをしないで放置したことをふまえ、「必要な保護をせず身勝手だ」と主張。事件の約1年前から置き去りを繰り返した常習性も指摘した。

 弁護側は、梯被告が幼い頃に母親から虐待を受けたと説明し「どんな影響を(被告が)受けたかを考えてほしい」と訴えた。

 この日は、梯被告が旅行で会いに行っていた当時の交際相手が証人として出廷。事件後に稀華ちゃんの存在を初めて知ったといい、「びっくりした」と証言した。

 厚生労働省によると、19年度に虐待死した子どもは78人(心中含む)で、今回のような育児放棄が13人、身体的虐待は17人だった。(新屋絵理)