ウクライナ問題、立場の違い浮き彫りに 米中外相が電話協議

北京=冨名腰隆
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 米国のブリンケン国務長官と中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相が27日(米国時間26日)、ウクライナ情勢について電話協議した。双方の発表によると、ブリンケン氏がロシアが軍事侵攻した場合の影響に警鐘を鳴らしたのに対し、王氏は「ロシア側の懸念も解決される必要がある」と言及。両国の立場の違いが際立った。

 ブリンケン氏は、ロシアがウクライナに再侵攻すれば世界の安全保障と経済へのリスクがあると強調し、「緊張緩和と外交を進めることが責任ある道だ」と述べた。一方、王氏は「ウクライナ問題を解決するには(和平プロセスを定めた)ミンスク合意の原点に立ち返らなければならない。合意の方向性と精神に合致する努力なら、中国はすべて支持する」とした。

 ただし、王氏は「各国が冷戦思考を徹底的に排除し、話し合いを通じて欧州の安全保障メカニズムを形成すべきだ。ロシア側の安全保障への懸念も重視され、解決される必要がある」とも述べ、北大西洋条約機構(NATO)の拡大停止を要求するロシアの立場に理解も示した。

 両氏は米中関係についても議論した。中国外務省の発表によると、王氏は昨年11月の首脳オンライン会談でバイデン大統領が示した新冷戦は求めない▽台湾独立は支持しない▽中国と衝突・対抗するつもりはない、といった方針が実行されていないと批判。「取り急ぎ、米国は北京冬季五輪の妨害や、台湾問題での火遊びなどをやめるべきだ」と注文をつけた。

 ブリンケン氏は「首脳会談時の米国の立場に変化はない」としたうえで、両国の意見の相違をコントロールすることが重要だとの見解を示したという。(北京=冨名腰隆